第197回国会 予算委員会 第2号(平成30年11月1日(木曜日))

野田委員長

 この際、橋本岳さんから関連質疑の申出があります。岸田さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。橋本岳さん。
 

橋本(岳)委員

 おはようございます。自由民主党の橋本岳でございます。
 きょうは、予算委員会で質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。補正予算の審議でございまして、災害対策が中心ということですから、これを中心に伺いたいと思います。
 まずは、平成三十年七月の豪雨災害、あるいは、ことしはたくさんほかにもいろいろな災害がございまして、多くの方が亡くなられました。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様には心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 私は、岡山県倉敷市というところに住んでおります。西日本豪雨災害におきまして倉敷市の真備町が大きな被害を受けた、もちろんそのほかにもいろいろなところでいろいろなことがございましたけれども、この中でいろいろな体験をし、感じたことをもとに、まずは質問したいと思います。
 まずは、代表質問のとき、本会議でこの間行われました、何名かの方から、災害対応が遅いんじゃないかというお話がございました。ただ、私は、この指摘は全く当たらないと思っております。
 今回、七月の豪雨災害では、広範囲にわたって多くのところでいろいろなことが同時多発的に起こりました。その中で、真備町の話をすれば、六日の深夜から七日の零時ごろに洪水が起こったのではないのかと、これはちょっとわからないんですけれども、証言の報道等からそう言われておりますが、七日の夜中、六日の夜中に洪水が始まった。
 最初の自衛隊員が真備町に到着したのが七日の午前五時と聞いております。その朝には岡山県知事が災害救助法の適用を決定して、七時には県と内閣府がこれを発表している。その日の朝十時には関係閣僚会議が行われております。そして、その日の午後一時半ごろには緊急消防援助隊の愛知県の大隊が真備町に到着をし、救助活動を始めている。あるいは、防災ヘリ等、各県からも来ていただいて救助活動が直ちに始まっています。
 翌日八日から、国土交通省のポンプ車が二十台ぐらい、ずらっと川沿いに並びまして、排水を開始しました。これが時間がかかるかと思っていたら、翌日にはこれがすっかり排水が完了するということで、迅速さに驚いたわけでございますが、その九日、ですから、二日後には小此木大臣が、当時の防災大臣が視察をしていただいており、その二日後、十一日には総理にも真備町あるいは倉敷市の避難所にもお越しをいただきました。ありがとうございました。
 その週末、十四、十五、十六が、その災害が起こって最初の週末であります、一週間後でありますが、そのころには政府の方で被災者の生活再建支援法の適用の決定、あるいは特定非常災害の指定、激甚災害の指定の見込みの公表ということをしていただきまして、これが大きな安心を被災者あるいは被災自治体に与えたと思っています。
 まだそのころ、現場の方では、避難所に多くの方がおられました。クーラーであるとかあるいは段ボールベッドであるとかが、その週末のころに、順次ではありますけれども、導入をされているということでございますし、また、十五日には、小田川など決壊した箇所の三カ所が、緊急対策を国土交通省でされて、締切りをされたという発表もされております。ここまで一週間ちょい。
 例えば、断水がしておりましたけれども、十六日には小田川の南側で飲用水の供給が開始、二十四日には全体が再開をしているとか、あるいは、そのころには、各大臣、もう何人もおられますので個々には申しませんが、現地をごらんいただいて、環境大臣には瓦れきの状態を見ていただきましたし、農水大臣には被害を受けた農地の状況などを見ていただきました。
 そして、そうしたことをあわせて、八月の二日、生活・生業再建支援パッケージというので予備費を支出するということで、これだけのことをやるということを政府でお決めをいただいたということでございまして、もうこの先はちょっと割愛をいたしますけれども、実に迅速に私は取り組んでいただいたと思っております。
 もちろん、政府だけではなくて、いろいろな自治体の方、ボランティアの方、企業の方、いろいろな方それぞれの協力があってそうしたことが進んだと思っておりますが、これは真備だけじゃないんですね。それが広島県だとか愛媛県だとかでもあり、あるいは台風なんかも来たりしてという中で行われたということでありまして、これがどうして遅いと言われるのか、私には全く理解できません。そのことはまず申し上げたいと思いますし、いろいろな方々の迅速な対応に心から感謝を申し上げなければいけないとまず思っております。
 ただ、復旧復興というのはまだ道半ば、これはできるだけ早くやはり進めていただきたいし、今後、発生というのがやはり起きないように取り組んでいただきたいと思っておりますし、もし反省点があれば今後に生かしていただきたい、そうした観点から、きょうは質問をしたいと思っております。
 まず、今回の豪雨災害で、岡山県におきまして広範囲に被害が出たのは、倉敷市真備町における小田川及びその支流の決壊と、それから岡山市東区における砂川の決壊でありました。
 やはり、川ですから、壊れたのが壊れたままだと安心して暮らせません。しかも、前のまま直すんじゃなくて、できればより改善をして改修をしていただきたいと思っておりますし、そうでなければ住民は安心することができないわけでありますが、この二点、国管理の場所があったり県管理の場所があったりします、ただ、川はつながっていますから、どこもちゃんと直してもらわないと困るわけでありまして、この迅速な改修について、見通しをお伺いしたいと思います。
 

石井国務大臣

 まず、倉敷市の小田川につきましては、本年九月に策定をいたしました真備緊急治水対策におきまして、国及び岡山県が連携をいたしまして、河川激甚災害対策特別緊急事業をおおむね五年間で集中的に実施をいたしまして、再度の災害を防止することとしております。
 この真備緊急治水対策におきましては、小田川の合流点の下流へのつけかえ事業のほか、堤防のかさ上げや河道掘削等を行いまして、従前よりも安全度を高める抜本的対策も行うこととしております。
 また、岡山市の砂川につきましては、予備費を活用した緊急的な河道掘削等の対策を実施するとともに、補正予算も活用しながら、被災箇所の本復旧を行うこととしております。
 砂川の抜本的対策につきましては、現在、岡山県が被災要因の分析及び具体的な対策の検討を行っているところでありまして、国土交通省といたしましても、技術的なアドバイス等を行っているところであります。
 引き続き、被災地の皆さんがなるべく早く安心していただけるよう、岡山県の御要望等もお伺いしながら、必要な、技術的、さらには財政的な支援を行ってまいりたいと考えております。
 

橋本(岳)委員

 いずれも抜本的な対策を取り組んでいただくということでありますし、また、特に砂川、県管理のことについても、財政的な面も含めて支援をというお話をいただきました。これは感謝を申し上げたいと思います。
 今回、真備とか岡山に限らず、洪水や土砂崩れが多発をしたわけであります。やはり、これから気象変動等も言われる中で、大雨とか台風、ことしはほかにもいっぱいありました。やはり事前防災という考え方が大事になるだろうと思っておりますし、土砂が堆積した河道の掘削、あるいは樹木の伐開、あるいは堤防の高さを高める。治山もやはりやらなきゃいけません。それも大事であります。
 先ほど政調会長の質問で、総理からその決意というのはお話があったと思いますので、治山治水の事業のこれからの充実について、それぞれ担当大臣であります国土交通大臣並びに農水大臣から見解を伺いたいと思います。
 

石井国務大臣

 国土交通省では、平成二十七年関東・東北豪雨を受けまして、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会再構築ビジョンの取組を進めておりました。
 このような中、本年七月の豪雨では、西日本を中心に広域的かつ同時多発的に水害、土砂災害が発生をしまして多数の犠牲者が出るなど、痛ましい被害が発生をいたしました。
 この豪雨では、広範囲に長時間継続した大雨により、各地で水害や土砂災害が複合的に発生をした。あるいはリスク情報、例えばハザードマップ等の情報が住民の避難につながっていない。こういった課題につきまして、現在、社会資本整備審議会等で検討を進めまして、年内をめどに答申を取りまとめる予定でございます。
 検討結果も踏まえまして、水防災意識社会の再構築に向けた取組を更に加速をさせてまいります。
 また、現在、防災関係インフラ等の重要インフラを対象にしまして、災害時の機能確保について、ソフト、ハードの両面から緊急点検を実施しております。今月末をめどに対応方策を取りまとめる予定であります。
 緊急点検の結果や、これまでの災害を通じて培ってまいりました経験や教訓を踏まえまして、災害から国民の命と暮らしを守るため、三年間集中で講じる緊急対策を始め、総力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 

吉川国務大臣

 まず、お答えをさせていただきます前に、ことしは大変大きな災害が、先ほど橋本岳先生から御指摘がありましたように、ございました。その大きな地震や災害を受けまして、これまで以上に事前防災・減災対策等の総合的な治山対策の推進が求められていると存じております。
 農林水産省におきましては、今般の平成三十年七月の豪雨災害の発生を受けまして、省内に検討チームを設置をいたしました。今後の効果的な治山対策のあり方を検討いたしておりまして、近日中に中間取りまとめを行う予定でおります。ごく近日中に取りまとめを行わせていただきたいと思っております。
 またさらに、国が進めております重要インフラの緊急点検の一環といたしまして、全国の山地災害危険地区等におきまして、森林の荒廃状況ですとか治山施設の健全度等に関する緊急点検を実施をいたしているところでございまして、今後、これらを踏まえまして、頻発する集中豪雨や地震などの激甚な災害に対応できるような、三年間集中で講ずる緊急対策、これは脆弱な地質地帯における山腹崩壊や近年顕在化している流木災害等への総合的な治山対策を、より効果的に実施をしてまいりたいと存じております。
 

橋本(岳)委員

 いずれも三年間ほどで、見直しをして、そして緊急対策をしていただくということでございました。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、予算の裏づけは大事でございますので、麻生大臣もひとつよろしくお願いしたいと思います。
 さて、治水に関して一つお尋ねをします。
 今回の災害において、川の上流にはダムがございまして、この放水の影響があったのではないかという声もございます。これは実際どうなのかということは、検証を待たなければわかりませんけれども。
 自治体等から声が上がっていることで、河川法五十二条において、緊急の場合は、河川管理者はダムの設置者に対して必要な措置をとるべきことを指示することができる。かなりかいつまんで言いましたが、こういう条文がございます。
 これは今まで出されたことはございませんし、今回も出されておりません。それは、必要があったのかなかったのかわかりませんから検証を待ちますが、まず、今後について、これからも出さないものなのか、伝家の宝刀だから使わないということなのか、それとも、いや、これからきちんと使う気持ちはあるのだということか、そこについてお尋ねしたいと思います。
 

石井国務大臣

 今委員から御紹介いただいたとおり、河川法第五十二条は、洪水による災害の防除又は軽減のため緊急の必要があると認められるときは、河川管理者がダムの設置者に対し必要な措置をとるよう指示することができることを規定をしております。
 これは、本来、洪水調節を目的としない利水ダム、これに洪水調節を行わせようとするものでありまして、ダムの位置、又は容量、洪水吐きのゲートのありなしなどの制約がございます。実施に当たっては、河川管理者とダムの設置者において事前に十分な協議が必要と考えております。
 ただ、過去に水害を受けた地域からの要請によりまして、一部の発電専用ダムにおきましては、現状の構造や洪水予測の精度等を踏まえまして、十分な技術的検討を行った上で、運用見直し、治水協力が既に行われているダムもございます。
 いずれにいたしましても、激甚化、多発化する自然災害に対しまして現在ある施設を活用することは有効と考えておりまして、課題や事例を踏まえまして、利水ダムの設置者の意向も伺いながら、利水ダムの治水への活用について検討していきたいと考えております。
 

橋本(岳)委員

 いろいろな要件があったり、もちろん、本来の用途でないことに使うということを指示することですから、検討すべきことはあろうと思いますけれども、やはり洪水が起こってたくさんの家が流れるというのは大きなことでありますから、しっかり、そうしたことが起きないように、全部のことを、やれることは全部やるという中にこの話も入ってくるんだろうと思います。ぜひしっかりと、今後は生かしていただきたいと要望したいと思います。
 さて、所信表明演説につきまして、総理は、被災者の皆さんの心に寄り添いながら、住まいを始め、生活再建を加速します、こうお話をいただきました。このことに関してお尋ねをします。
 まず、被害認定について一個確認をしたいんですけれども、総社市の下原というところで洪水が、前後してアルミ工場の爆発がございました。近隣の民家等は、その爆発による爆風と洪水の被害と両方を受けてしまったという民家がございます。
 この被害認定について、水害の方は自然災害だ、爆発の方についてはどのような取扱いになっているのか、二重に被害を受けたものについてちゃんと二重分の罹災証明をして、その被害を認定をするときにしているのかどうか、その取扱いをお尋ねします。
 

山本国務大臣

 お答えをいたします。
 実は、先般私も、西日本豪雨災害、すさまじい災害を受けた地域を回ってまいりました。岡山県にも参りまして、橋本議員のお地元の倉敷にも行ってまいりました。小田川が決壊する、河川が決壊するというのはこういうことなんだということを改めて再認識いたしましたけれども、まだまだ、見渡す限りの、家屋で二階まで浸水をして、今もなおその二階を、いわば窓をあけて、人は住んでいない、そういうような状況を見て、その被害の深刻さをつくづくと感じてきたところでございます。
 全力を挙げて我々もこれから取組をしていかなければならないと思いますが、今ほどの質問でございますけれども、平成三十年七月豪雨による水害と、それに伴う総社市のアルミ工場が爆発したということでございますけれども、その周辺の多数の住家が被害を受けたということは確認をいたしております。
 水害と、それを契機として発生した工場の爆発による爆風等で被害を受けた、両方の被害を受けた、そういう住家の被害認定につきましては、水害による被害に爆風等による被害を加えて判定をすることが可能であるということを総社市の方にも伝えておるところでございます。
 これによりまして、水害による被害のみでは半壊あるいは半壊に至らないというふうなそういうことでございましたところが、爆風による被害も考慮することによって、全壊、あるいは大規模半壊と判定されたものが大幅にふえたと総社市から伺っているところでございます。
 参考まででございますけれども、工場爆発による被害があった総社市下原地区、百十五戸でありますけれども、そのうちの、水害による被害のみは三十二棟というふうに判定をされておりましたけれども、爆風という被害も考慮した結果、六十一棟が全壊ないしは大規模半壊になったということでございます。
 

橋本(岳)委員

 可能であるという言いぶりはちょっと気になりましたけれども、ただ、両方ともやはり加味していただいている、それによって判定が変わったところもあるということでございますので、見ていただいたのだということで理解をしたいと思います。
 また、先ほど山本大臣からその状況の、真備町をごらんになった感想等をいただきましたけれども、今回、真備町では、全壊が四千六百四十六棟、それから、大規模半壊、半壊を含めれば五千七百棟以上が被害を受けたことになります。
 私も先週末、夜に真備町に行って様子を見てまいりました。昼間行くと結構きれいになっているんです。夜行くと、街灯はついている、コンビニはやっている、車も通っている、それなりにきれいになっている。だけれども、家に明かりがついていないんです。すごく悲しくなります。ゼロではないですけれども、多分一割もまだ明かりがついていないかなというのが、何%かなというのが私の見たところでございます。
 今避難しておられる方というのは昨日で百四十六人ということになっておりますが、あとの方は恐らく、借り上げ住宅なり建てた住宅なり、あるいは親戚の方のおうちだとか会社の社宅だとかいろいろなところに身を寄せたりされて、当面の生活というのはそういうところでされているということ、確保されているんだろうと思いますが、復旧復興といったら、やはりその方々にぜひ真備に帰ってきていただいて、あるいは、もちろんそれ以外の方、新たに来られる方もいいですけれども、町が町として人がにぎやかに暮らしている、住んでいる、そういうところまで戻るというのが復旧復興と言うのだろうと思うわけでございますし、これはやはりこれからまだまだ息の長いこと、取組になります。住宅の再建、町の復興というのは、これからの大きな課題なわけであります。
 また、それまでの間、これまで住みなれた地域を離れて、被災された方はいろいろなところに分かれてばらばらに暮らすということになります。やはり、その方々が新しい地域で孤立をすることのないようにしっかり見守っていただきたい。必要な支援をすぐできる、アクセスできるような体制にしていただきたい。この二つがこれからの真備の大きな課題なんだというふうに思っております。
 その見守りの支援については所管は厚生労働大臣でございますし、町の復興というものに対しては防災大臣から答弁をお願いしたいと思います。
 

根本国務大臣

 平成三十年七月豪雨で被災された方々は、仮設住宅にお住まいになられるなど、今委員からお話がありました。被災前とは大きく異なった環境に置かれておられます。このような方々が安心して日常生活を送ることができるように、きめ細かな支援を行うことが必要であると思います。
 委員、今見守りとお話が出ましたが、厚生労働省としては、予備費を活用して見守り・相談支援等事業を実施し、岡山県、広島県、愛媛県の三県十九市町において、仮設住宅に入居された方々などへの見守り、あるいは、日常生活上の相談支援を行う取組、この支援を行っております。
 今後とも、各県と連携して、市町村における取組が円滑に行われるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えています。
 

山本国務大臣

 お答えをいたします。
 被災者の生活再建に当たりましては、皆さん、自分の地元に住みたいということがございまして、その思いを踏まえて、住まいの確保に加えて、なりわいの、あるいはまた就労の確保、コミュニティーの維持、回復など、生活全般にわたってのきめの細かい支援が必要であるというふうに考えております。
 政府といたしましても、応急段階から復旧復興段階におけるさまざまな生活支援策を講じているところでございますけれども、本格的な生活支援のためには、復興のまちづくりと連携した息の長い取組が必要であるというふうに考えております。
 政府として、これまでの災害対応で得た知見や経験を生かして、被災自治体における復興まちづくりが迅速かつ円滑に進められるよう、関係省庁と連携して、被災自治体の声を十分お聞きをしながら、一体となって取り組んでまいりたいと思っております。
 

橋本(岳)委員

 ありがとうございます。
 それぞれに取り組んでいただいているということでございますが、先ほど申し上げましたように、これは息の長い取組ということになろうと思います。決して単年度で終わるとかそんなことはなく、きちんと、しばらく長い、どのぐらいかかるかわかりませんし、できるだけ早い方がいいに決まっていますが、だけれども、息の長いということをぜひ意識をして取り組んでいただきたいと思いますし、特に、住宅を建てかえるということは、基本的には私有財産ということになりますから、それにどう支援をするかというのは、国が支援をするというのはいろいろ難しいことがあるというのは承知をしております。ただ、金融面だとかいろいろな形で、各省庁、これは知恵を絞って、できることをしっかり取り組んでいただきたいということは要望させていただきたいと思います。
 また、なりわいの支援ということで、中小企業支援でありますとか、農業だとか、いろいろな業の支援、あるいは、観光については、総理も所信表明でもお触れをいただきまして、ありがとうございました。こうしたこともしっかり取り組んでいただいておりますし、またこれも引き続きお願いをしたいと思っております。
 さて、私の体験をもとに、ちょっと幾つか質問をしたいと思っておりますけれども、今回の災害では、水害でございまして、多くの人手が要る。そして、本当に多くの災害ボランティアの方にお越しをいただいて、お力をいただきました。お仕事がある中、合間を縫って、暑い中で手弁当で被災者の方々にお力を、多くの方にお越しをいただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
 そして、その方々をお迎えをするために、倉敷市の社協が災害ボランティアセンターを立ち上げました。ここは十月二十五日に真備町内に移転をしたんですけれども、その前は玉島というところの中国能力開発大学校というところを拠点にしておりました。ここで五万七千十一人のボランティアを受け入れたというふうに聞いております。森山先生とか何名かの国会議員の方もその中には入っておられるはずであります。
 この運営も、社協の方が中心でありますけれども、多くのNPOだとか、非営利団体でありますとか、企業の方だとか、いろいろな方が協力をして運営をされておられました。
 ただ、そのボランティアセンターが始まって、最初の週末に私も行ってみました。そうしますと、体育館の中ですから、すごく暑いわけであります。その中で、例えばやはり熱中症になってお休みになっていらっしゃる方もおられる、その方をお医者さんが一生懸命うちわであおいでいるみたいな状態がございました、救急車が来るまでの間。
 そのころには避難所の体育館にはクーラーがだんだんついてきておりまして、ぜひここの体育館にもクーラーをつけられませんかと内閣府防災の方に実はお尋ねをしたところ、被災者にはクーラーをつけられるんです、だけれども、ボランティアの人はその対象にならないんですという、すげないお返事をいただくということがございました。これは、法律のたてつけ上、しようがないんです。現場からするとすごくすげなく感じちゃったので、そう言いましたけれども。
 結局、そのポリテクカレッジを運営をしている独立行政法人がクーラーをつけてくれたので、その数日後にはどうにかそれなりの環境のもとでボランティアセンターをしていただくことになったわけでございますけれども、やはりちょっといろいろ思ったわけでございます。
 やはり、大きな災害があると、みんなでボランティアに行こうということは、もう根づいてきていると思います。そうすると、それを受け入れる体制というものも、今のところ、そういう意味でいえば、手弁当が原則だからということでもあって、でも、やはり全部誰かの好意だとか善意だとか協力だとか持ち出しに頼ってやらなきゃいけないというのは、しかも、それが大体被災した地域だとか被災した自治体がですから、やはりこれは結構大変でありますし、既にもう倉敷市は、恐らく、明確に聞いてはいませんが、社協を通じる形でコミットしてやっているはずであります。
 そのときに、国が、法律がたてつけはこうなのでということをずっとやっていていいのか。もちろん、行政丸抱えになることがいいことだとも思いませんけれども、やはりそこのところは考えていただきたいなと思っているんです。
 ということで、この災害ボランティアセンターというもののまず位置づけというものについて、誰が所管を国はすることになるのか、どう考えているのか。事前のレクのときには、内閣府防災担当か厚生労働省かどっちかみたいな、あるいはお互いみたいな話をしておりましたが、ちょっと両大臣に、その点、お尋ねをしたいと思います。
 

根本国務大臣

 今、委員から、災害ボランティアの方のお話がありました。殊に今回の災害でも、災害ボランティアの皆様には御尽力を賜っております。
 今回の三十年の七月豪雨の被災地、これは、お話にもありましたが、社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターを介して、これまで、十月二十八日までに、延べ二十四万人を超える方々に活動していただいておりまして、皆様の御支援に心から感謝を申し上げます。
 今の、災害ボランティアセンターがどこの所管か、こういうお話もありました。
 この災害ボランティアセンターについては、社会福祉法の規定によって、各県の共同募金会が積み立てた災害等準備金を活用して活動資金を支援しております。そして、災害時に災害ボランティアセンターを円滑に設置、運営することができるように、全国社会福祉協議会、これは今までのノウハウが蓄積しておりますので、この全国社会福祉協議会が実施する研修事業に対して、厚生労働省として助成を行っています。
 その意味では、我々、全国社会福祉協議会などを通じて各地の各災害ボランティアセンターの運営上の課題を把握して、内閣府と協力連携しながら、災害ボランティアセンターの運営、これを支援していきたいと思います。
 

山本国務大臣

 被災者支援において、ボランティアの方々の支援というのは大変重要な役割を果たしていただいておる、これはもう皆さん御案内のとおりでありまして、西日本豪雨の被災地で、これまで約二十四万人のボランティアの方が、家屋の泥出し、あるいはまた家具の片づけなど、きめの細かい活動を行っていただきました。
 ちょうどあの水害が起こった後、西日本はすさまじい酷暑に襲われました。私どもも愛媛県で近場で見てまいりましたけれども、多くのボランティアが入ってくれるんですけれども、その暑さにやられて、そして熱中症にというような方々もたくさんいらっしゃる。極端な事例を申し上げますと、十分ボランティア活動したら十分休んでくれというような、そういう状況すら間近に見てきたところでございます。
 災害ボランティア活動につきましては、一般には、市町村の社会福祉協議会によって設置される、今ほどお話のあった災害ボランティアセンター、これを経由して行われておるところでございますけれども、実は、今ほど申し上げたとおり、西日本豪雨の被災地では、熱中症対策やニーズのミスマッチ等々の課題もいろいろあったというふうに伺っております。
 このため、内閣府といたしまして、社会福祉協議会やボランティア等との連携を図って、災害時において災害ボランティア活動が円滑に行われるように、その活動環境の整備を図ってまいりたいと思っております。
 具体的にでありますけれども、行政、それから災害ボランティアセンター、そしてNPO、この三者間で情報共有を図って、連携のとれた支援活動を行うための情報共有会議というものの開催を支援をしているところでございまして、今後とも、厚労省など関係省庁とも連携協力しながら、災害ボランティアセンターの支援を推進してまいりたいと思っております。
 

橋本(岳)委員

 いろいろな形で、例えば協力体制をつくるだとか、もともと社協がやっているということですから、その所管をしてその基金等を充当して云々という話が厚生労働大臣からあったりいたしました。
 けれども、何というんでしょうね、やはり、現場で随時いろいろなことがその場その場で必要になるわけです。そのときに、安心をして運営する側が出せるという環境をどうつくっていくのかというのは、別にどちらが所管でも構いませんし、別にそれが税金でなきゃいけないとも思いませんが、ぜひそれは日ごろの備えとしてつくっておいていただきたいなということは要望したいと思いますし、私は、できることなら、きちんと法律の中かどこかに位置づけか何かをつくって、それがちゃんと自治体も安心をしてできるという裏づけをつくっていただきたいということは要望したいと思います。
 さて、もう一個。
 今回、災害では、倉敷市では特に先ほどのような状況がございまして、避難所での生活を、それから、かなり多くの方がかなり長期間されるということがございました。今回、倉敷市では、段ボールベッドの導入というのをいち早く市長が決めていただきまして、また、プッシュ型支援もありまして、ちょっと現場でダブっちゃったりしてトラブルがあったりしたんですけれども、いずれにしても、一週間ぐらいでちゃんと入ったというのは、僕はよかったなと思っております。
 ただ、これまでの例でいくと、必ずしも全部の自治体が、ちゃんと段ボールベッドをみんなにやるというふうになっていない、送ったけれども使われていないとか。担当者の人が、段ボールベッドが来たんだけれども使いますかと聞いちゃうと、避難されている方は、布団で生活できるからいいやと言っちゃうんですね。あるいは、申しわけない、我慢すれば済むからいいやと言って。だから、使われないで倉庫に眠っちゃったみたいな例も過去にはあったようであります。
 ただ、やはり、布団で寝ているよりも、ベッドなり、簡易ベッドでもいいんですが、ちゃんとそういうところで寝ている方が、エコノミークラス症候群みたいな災害関連死を減らすということは言われておりますし、希望を聞くとか聞かないじゃなくて、みんなが、それなりに長期の避難所になったら、そういうものが準備されるんだということにしておかないと。
 倉敷市でも、私と、段ボールベッドを推進している水谷さんという方が一緒に市役所に行って、お話をしに行って、入れましょうと言って、一旦預かられて、翌日、市長さんが、やりますと言っていただいたので入ったわけですけれども。そのほかにも、救助だとかで忙しい市長さんの決断を待つことなく、一定期間以上の避難所というものにはそういうものがちゃんと入るのだということを、日ごろからこれは、標準的な避難所の姿というものを、しかも、それなりに生活環境が整った姿というものを共有をしていくということが大事なんだと私は思っています。
 七月七日に内閣府防災が、避難所の環境についてという通知を出しました。七月七日、洪水が起こっている中で見ません、通知なんか。日ごろが大事なんです。
 先ほど紹介した水谷さんという方は、昭和五年の災害のときでも現在の災害でも、避難所の景色は変わらないということを言っておられます。要するに、体育館みたいなところで布団を敷いてみんな雑魚寝している、それはやはりどうにかしないといけないと思います。(発言する者あり)プライバシーの問題もあります。おっしゃるとおりです。
 やはり、避難所の景色を変えることができたら災害関連死や二次健康被害を防ぐことができる、こうおっしゃっているわけでございまして、それをやるのはいつですか、今でしょう、ちょっと懐かしいフレーズでございますが、私はこう思うわけであります。
 ぜひ、このことは、食事だとかお手洗い、今お話のあったプライバシーも含めて、こうしたものを今後の教訓として、しかも、市長さんが、どうしようか、ああしようかと迷わないで、もうみんながそれを共有していれば、もう当たり前にそれは準備するんだということをしなきゃいけません。ぜひそのことを取り組んでいただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
 

山本国務大臣

 御案内のとおり、内閣府では、市町村に対しまして、指定避難所における生活環境整備のために必要に応じて整備する設備、備品、これを周知して、そして、平時からの整備を促しているところでございますし、また、災害救助法が適用された場合には、被災都道府県に文書を発出をいたしまして、その費用は国庫負担の対象となるので、避難所の生活環境の整備を進めるように促しているところでございます。
 今、橋本議員お話があったように、段ボールベッドでありますけれども、非常にこれは好評でございまして、おじいちゃん、おばあちゃんが本当にそのことに対して感謝されるということが、私も何度も経験をいたしました。
 今回、プッシュ型の支援で、六千八百個の段ボールベッド、それから約三百基の仮設トイレ、これを被災地にお送りして、支援を必要とされている被災者に支援を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、避難所の生活環境の整備につきましては、地域の実情も踏まえ、市町村において判断されるものではございますけれども、今現在、杉田内閣官房副長官をトップといたしまして、平成三十年七月豪雨災害に係る初動対応検証チーム、これをつくって今検証しているところでございます。
 内閣府といたしましても、引き続き関係省庁と連携して、都道府県、市町村には避難所となる施設の環境整備を推進していただくように、平時から国による支援内容の周知に努めてまいりたいと思っております。
 

橋本(岳)委員

 ぜひ、今回のことを教訓にして、そうしたことをしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。