とかしき委員
ありがとうございます。 大臣が提唱なさっております気候変動掛ける防災、これは日本の国の強みになりますので、ぜひ積極的に世界に発信していただきますようお願いを申し上げます。そして、そのための技術開発の支援もよろしくお願いいたします。 それでは、気候変動に対する適応、緩和、これは両方セットで動かしていかなくては意味がありません。緩和は、気候変動の原因となる温室効果ガスの削減、さらに、適応というのは、気候変動による被害を回避し、そして軽減していくということが適応というふうになります。 実は、この適応に関しては、日本は大変強いインセンティブを持っております。といいますのは、気候変動適応法という、これは、単独で法整備ができているのは先進国で我が国だけであります。適応に関しては、我が国は非常に強みを発揮できるだけではなくて、実はデータ分析においてもほかの国の技術を先んじているわけであります。 アジアで例えば評価が非常に高いのは、アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム、AP―PLATといいますけれども、これは、温暖化がどんどん進んでいったら、どの地域が海水が上がってきて水没の危機に見舞われる可能性があるのか、それに合わせてどういった農作物をつくっていったらいいのかとか、そういったことを具体的に予測できるのが特徴であります。 適応を我が国の強みにしていくこと、これは重要でありますけれども、更にもっと強くするためには、またほかのジャンルとの連携も必要なのではないかというふうに考えます。 例えば、今、新型のコロナウイルスで大変話題になっております感染症であります。新型コロナウイルスは温暖化とは直接関係ありませんけれども、しかし、過去に発症しましたデング熱とかジカウイルス感染症、これは蚊を媒介しているわけでありますから、温暖化の影響を受けているわけであります。ということで、例えばデング熱を媒介する蚊、これは今やどんどん蚊の生息域が北上しておりまして、二〇一六年、青森県まで達していると言われております。 環境省や国立環境研究所は、今後温暖化がどんなふうに進行していくのかというデータをかなりしっかり持っております。厚生労働省は、このデータをもとに、自治体とあらかじめ対応を練っておく必要があるのではないか。これから感染症が、脅かされる危機もどんどんふえてくるかと思いますので、ぜひこういった対応をお願いしたいなと思います。両省がきちっと連携できれば、先ほどお話にもありましたけれども、国際会議でありますアジア太平洋適応ネットワーク、ここでも日本から新たな提案ができるのではないか、このように考えられます。 ここで、橋本副大臣にお伺いしたいと思います。 感染症も適応の政策の対象としまして環境省と厚労省と連携していくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
橋本副大臣
まず、御答弁を申し上げます前に、棚橋委員長、そして与野党の理事、委員の先生方におかれましては、加藤厚生労働大臣の本委員会の出席につきまして温かい御配慮をいただきました。厚く感謝を申し上げますとともに、しっかりと新型コロナウイルス対策に取り組んでまいる所存でございます。 さて、また、とかしき委員からは、先ほど冒頭に情報発信の仕方についての御指摘もいただきました。三点ございましたが、いずれも大事な御指摘であります。しっかり受けとめて今後に生かしてまいりたいと思っております。 そして、今、気候変動の適応政策の対象として厚生労働省が環境省と連携をすべきという、さきに環境副大臣そして厚生労働副大臣それぞれお務めになった、とかしき委員らしい御指摘をいただいております。 厚生労働省といたしまして、気温上昇等の気候変動と感染症の発生リスクの関係につきましては研究事例がまだ限られておりまして、現在、環境省において気候変動に関連する影響に関する科学的知見の集積に取り組まれているものと承知をしております。厚生労働省といたしましては、この知見の集積を踏まえ、一つの例として、例えばデング熱などの蚊を媒介とする感染症対策などにつきまして、気候変動に伴う影響を検討等していくこととしております。 委員の御指摘もしっかり踏まえまして、環境省と連携をしながら、私どもとしてもしっかり対応してまいりたいと考えております。
~中略~
石田(祝)委員
これはぜひ万全の対応をお願いをいたしたいというふうに思います。 その中で一つだけちょっとお聞きいたしますけれども、今、マスクの話も若干いたしましたが、実は、私の子供は東京にいるんですけれども、私は高知に住んでいるんですね、私の家族も高知に。東京から電話がかかってきて、全然マスクがない、マスクを手に入れて送ってくれ、こういう電話があって、私の妻がそれを受けて、いろいろなところを回ってやっと幾つか確保して送った、こういう状況です。そして、私も、その後、徳島県に行ったんですけれども、徳島県でもマスクがもうない、こういうお話でございます。 それで、私は、新型コロナの対策でのマスクということもありますけれども、これは、これから、ことしはちょっと暖冬ということもありまして、花粉症が早く影響が出てくるんじゃないのかと。花粉症は、本当にこれはマスクがないと何ともなりませんので、そういう意味では、マスクがないということに対して非常な不安を持っているんじゃないのかな、こういうことも私は思いますけれども。 マスク対策と言ったら変ですけれども、マスクの増産体制、やはりそういう心配がない、多分、私も花粉症なんですよ、ですから、これは、これから大丈夫かなと。そろそろ目頭がかゆくなってきたんですよ。これについてどういうふうにお考えか、どなたにお聞きすればいいんでしょうか。
橋本副大臣
お答えをいたします。 マスクも、家庭用のものであったり医療用のものであったりありますが、まず、家庭用のマスクについて申し上げますと、やはり、この新型コロナウイルスによる感染症が大きくなってから、まずは来日中国人の方による需要が急増をしていたということに加えまして、その後、我が国におきましても、先ほど総理が答弁申し上げましたように、指定感染症への追加などもございまして、今、日本の国内でも需要が増加をしておりまして、品薄状態にあるというように承知をしております。 これも委員お話しいただきましたけれども、実は、平時、中国からの輸入でのマスクの供給というのが大変多うございまして、これが現在とまっている状況でございます。 今、国内でのメーカーについて増産要請を、先月二十八日、厚生労働省及び経済産業省から業界団体に行ったところでございます。そして、それを受けて生産主要各社では二十四時間の生産体制をとっていると承知をしておりますが、引き続きまして、厚生労働省において、マスクの生産、流通状態を把握しつつ、できるだけ早く品切れが緩和されるように関係団体に働きかけてまいりたいと考えております。 医療用の方は。(石田(祝)委員「いいです」と呼ぶ)はい。
~中略~
石田(祝)委員
続いてこの問題、子育てについては聞きますから、ちょっと見ておいていただきたいと思います。 私は、去年、出産育児一時金についても質問いたしました。現在四十二万円ということで、特に東京を中心に、それでは入院費は賄えない、大体五十万円ぐらいになっているんじゃないかというお声もありまして、なかなか、それが全てではもちろんありませんけれども、やはりお子さんが生まれるということは、多分さまざまな、いわゆる昔でいえば物入りになるわけです。 そういうことについて一時金の引上げはできないのか、すべきではないのか、こういうことも申し上げたところでありますけれども、先ほどのこととあわせてお答えいただければ、お願いします。
橋本副大臣
お答えをいたします。 まず、出産一時金につきましてのことでございますけれども、医療保険制度では、出産に要する被保険者の経済的負担を軽減するため、健康保険法等に基づく保険給付として、出産育児一時金が支給されております。 この支給額につきましては、原則として公的病院における出産費用等を勘案して定めておりまして、これまで、出産費用の上昇などに伴い、数次にわたり見直しが行われているところでございます。 医療保険制度に関しましては、今後、骨太二〇二〇に向けてということで、ことしの夏までということになろうと思いますが、見直しの議論を行うこととしておりまして、そうした中において、出産育児一時金につきましても、出産費用や保険者の財政状況等を総合的に勘案しつつ、しっかりと検討を行ってまいりたいと考えております。 なお、先ほどまでのお尋ねの中で、育児休業給付の、実質一〇〇%に引き上げるべきではないかという御指摘もあったかと存じます。こちらにつきましては、育児休業給付金につきまして、既に諸外国と比較をしても相当程度高い水準にあるという状況がございまして……(石田(祝)委員「それは総理が答えたからいいよ」と呼ぶ)はい。さらなる引上げは慎重な検討が必要である、このように考えているところでございます。
~中略~
石田(祝)委員
続いて、摂食障害で苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。いわゆる拒食症、過食症とか、こういうふうに言われておりますけれども、摂食障害ということで、きょう、お手元で見ていただいておりますけれども、これがマゼンタリボン、そういうことの運動をなさっている方であります。この方々が大体全国で、わかっているだけで二十万人ぐらいいるんじゃないのか、こういうことも言われております。これは、痩せたいからでしょうとか、自分が好きなものを食べているんじゃないでしょうかとかいう、そういうことではなくて、本当にこれは苦しんでいるんです。 その点で、これは厚生労働省になると思いますけれども、どういうふうに現状の認識、どう考えていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。
橋本副大臣
お答えをいたします。 摂食障害には、食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症と、極端に大量に食べてしまう過食症があります。そして、それぞれの症状があるわけでございまして、御指摘のとおり、約二十万人の患者がおられるということでございます。 これは、周囲の方々の理解やサポート、そして早期の医療機関への受診が重要な疾患である、このように認識をしているところでございます。 ただ、そうした患者への支援については、患者にとって、痩せあるいは過食自体が心理的な安心感や解放感をもたらすため、医療機関への受診になかなかつながらず、未受診者が多いということも課題と考えております。 また、効果的な治療方法の普及や、専門的な治療を受けられる医療機関の確保も課題と考えております。
石田(祝)委員
今お話を、御答弁いただいたとおりでありますけれども、これから厚労省としてどう取り組んでいかれるのか、このこともお伺いをしたいと思います。
橋本副大臣
この摂食障害につきましては、委員も御指摘ではありましたが、ダイエットの延長でありますとか、例えば、わがまま病、あるいは育て方が原因といった誤解が生じやすいという御指摘もございます。 ですから、患者本人及び御家族も支援をしていく必要があるわけですけれども、まず、その疾患に対する理解と関心を深める啓発活動が大変重要であるというふうに思っております。 そうした中で、委員も御着用いただいております、私もつけておりますが、マゼンタリボン運動というように、民間においても摂食障害への正しい知識の普及に取り組んでいただくことは大変有意義でございます。 また、厚生労働省といたしまして、若年層に多い疾患である摂食障害に対する理解を促進し、患者に適切な支援を提供する体制整備のためのさまざまな取組に取り組んでいるところでございまして、引き続きしっかりと支援に取り組んでまいりたいと考えております。