第201回国会 衆議院 予算委員会 第7号 (令和2年2月5日(水))

田畑委員

総理から丁寧な答弁、まことにありがとうございます。  今、民間の病院のデータも都道府県には伝えられているともお聞きをしております。画一的な線引きというのは、やはり厳に慎むべきではなかろうかなというふうに思います。  私、地元は富山で雪国でもあります。隣接二十分間というくくりで評価をされているようでありますが、やはり、冬期間、降雪があれば、平常時は二十分で行けたのかもしれませんが、降雪だとやはり時間が読み切れないというのは多々ある話でありますので、より具体的に推し進めるために丁寧な議論をお願い申し上げたいと思います。  また、これから後期高齢者、とりわけ八十五歳以上の方々の増加が一段と加速をするところであります。医療、介護、一体的な提供体制や、その方々の生活そのものの支えや居場所など、まちづくりと全体を網羅した政策づくりということにもこれから注力をしていかなければならないのではなかろうかと思います。その重要性、指摘をさせていただきたいと思います。  もう一点、今度はちょっと具体的な確認をさせていただきたいと思います。  一月三十一日に、地域医療構想の実現に向けた重点支援区域の一回目の選定が発表されたところであります。これは、四月以降、当該区域において国による助言や集中的な支援が実施されるものだと理解をしておりますが、財政面、その他の面で具体的な取組をお聞かせをいただきたいと思います。また、重点支援区域の指定は今後も続くとのことでありますが、いつまで申請を受け付けるのかもあわせてお聞きをしたいと思います。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  地域医療構想の実現に向けましては、骨太の方針二〇一九に即し、重点支援区域の設定を通じて国による助言や集中的な支援を行うため、都道府県の申請に基づきまして、今委員からお話ございましたように、本年一月三十一日に、三県五区域を重点支援区域として第一回目の選定を行ったところでございます。  ここにおきます具体的な支援といたしましては、地域の医療提供体制や医療機能再編等を検討する医療機関に関するデータの分析、また、都道府県と連携した関係者間の調整などの技術的な支援に加えまして、地域医療介護総合確保基金の優先配分や新たな病床ダウンサイジング支援の手厚い実施などの財政的な支援を行うこととしておるわけでございます。  重点支援区域の申請につきましては、都道府県における検討状況に柔軟に対応してまいりたい、このように考えておりまして、現時点では、当面は期限を設けずに随時募集をしている、このようにしていくというふうに考えております。  厚生労働省といたしましては、今後も重点支援区域の選定を行い、医療機能再編等の議論が困難な区域におきましても国のバックアップにより議論が活性化されるよう、先ほど委員がお話しいただきましたように、それぞれの地域の事情というのもやはりその地域において考えていただくということが大事であろうと思います。また、それを国がバックアップしてきちんと議論が活性化されるように、例えばユースケースを広く全国に伝えることなどによりまして、全国的な取組につながっていくように最大限支援を行ってまいりたいと考えております。
 
~中略~
 

田畑委員

ありがとうございます。  ガイドラインの策定ということをお聞きをいたしました。しっかり、周知を含めて、災害防止に取り組んでいただきたいと思います。  続いて、国民健康保険におきます新しい予防・健康づくり支援交付金や、保険者努力支援制度が強化、拡充をされるところであります。また、保険者機能強化推進交付金とともに、介護保険保険者努力支援交付金が創設をされるところであります。  めり張り強化やこれまでの評価指標の配点引上げなど、自治体への財政的インセンティブ拡充は歓迎をするところであります。一方、マイナス点の設定もなされるともお聞きをしております。  自治体固有の特性にも配慮をした中でのめり張り強化が当然と考えるものでありますが、どのような考えのもと、予防、健康づくりに取り組むのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  まず、国保の方でございますけれども、国保の保険者努力支援制度は、都道府県、市町村における医療費適正化等の取組の状況に応じて交付するものでございまして、二〇一八年度から一千億円の予算規模で本格実施をしております。  来年度の評価指標につきましては、骨太方針などに基づきまして、地方団体と丁寧に協議の上、糖尿病の重症化予防などの予防、健康づくりに関する評価指標について配点割合を引き上げるとともに、特定健診、保健指導など、一部の指標についてマイナス点も設定する一方で、市町村規模別の評価指標について、従来、保険料収納率の指標で設定していたところ、特定健診、保健指導の指標においても導入するなど、自治体の状況等も踏まえながら、めり張りの強化を図ったところでございます。  なお、ペナルティーという御指摘もございましたけれども、大幅に拡充された公費についてのめり張りということでございますので、私どもとしては、ペナルティーという性格のものではないというふうに考えております。  また、二〇二〇年度予算においては、人生百年時代を見据え、更に予防、健康づくりを強力に推進するために、新たに五百億円の増額を図ることとしております。  続きまして、介護の方でございますけれども、介護の保険者機能強化推進交付金は、市町村、都道府県の高齢者の自立支援、重度化防止の取組を推進するため、二〇一八年度から二百億円の予算規模で実施しております。  二〇二〇年度予算案におきましては、予防、健康づくりの取組を一層推進するため、新たに二百億円の介護保険保険者努力支援交付金を創設することとしております。  来年度の評価指標につきましては、骨太方針などに基づきまして、予防、健康づくりに関する評価指標について配点割合を引き上げるとともに、成果指標の拡大や配分基準のめり張りを強化する一方で、全指標を市町村規模別に評価をするなど、自治体の状況も踏まえた評価指標とすることを検討しているところでございます。  今後とも、こうした仕組みを通じて、自治体の予防、健康づくりを強力に促進してまいりたいと考えております。
 
~中略~
 

大串(博)委員

立国社会派の大串博志です。  早速質疑に入らせていただきたいと思います。  これはさっき質疑もありましたけれども、新型コロナウイルスに関して、大変懸念される状況が続いております。  大型クルーズ船をめぐる状況に関して、けさ、先ほど来も話がありましたけれども、厚労大臣が記者会見をされて、症状が出ていらっしゃる方を中心に検体を採取された、二百数十検体ですかね。それで、検査結果が出たのが今のところ三十一でいらっしゃる。三十一の検査結果が出たところの中で、陽性反応が十あった。印象としては、かなり、検査結果の内訳で陽性反応が出たのは高い割合のように感じます。  総理にぜひお尋ねしたいと思うんですけれども、これからかなり検体の採取は続くと思うんですね、検査も続くと思います。そうすると、かなり船の中に長期化して停留していただくということになるんじゃないかと想像します。完全な安全を確保した上で上陸していただくという措置をとられると思いますが、恐らく地元の皆さんなんかは、二次感染、三次感染、四次感染を含めた心配をされている方々も地元では多いと思うんですね。  こういった中で、かなり船の中での停留が長引くとなるとすると、今でさえ、今回、十人の陽性反応が出たということになる、これからも出てくる可能性があると私は考えますけれども、そうすると、長期化する中で、船の中できちんとした医療体制をとるということが、かなり三次、四次、五次感染を防ぐという意味において必要になってくると思うんですね。  この辺に関して、総理のお考えを。
 

安倍内閣総理大臣

詳しくは橋本副大臣から答弁をさせますが、きょうは、早朝、加藤大臣からこの状況について報告が直接私のところにもございました。また、秘書官からも報告があったところでございますが、三千名を超える乗員乗客の方が乗船しておられるわけでございまして、この方々の健康状態の確認を優先しつつ、感染拡大防止に向けて万全の対策をとっていきたいということでございますが、まずは、感染を予防する行動を徹底していくということでありまして、客室に確実に待機をしていただく中において、引き続き臨船検査を進めていきたい。  詳しくは、副大臣から答弁させます。
 

大串(博)委員

厚労副大臣にお尋ねします。詳しく、かつ簡潔に説明をお願いします。
 

橋本副大臣

船内の医療体制につきましてのお尋ねでございますが、クルーズ船には、もともと医務室がございまして、船医が乗船をしております。したがいまして、このコロナウイルスに関する感染症によるか、あるいはそうでない場合もあると思いますが、体調を崩される方が仮に出た場合には、まずは医務室及び船医の方に対応していただくということになります。  ただ、今同時に、臨船検疫中でございますので、検疫官も乗船をしております。場合によっては、検疫官も医師ですから、その方々もサポートに入ることは検討される、そのときに応じて対応するということはございます。  また、長期化します。そうしますと、今お手持ちの日ごろ飲んでおられるお薬が足りなくなるというようなこともあろうと思います。そうしたことにつきまして、私どもの方でニーズを把握いたしまして対応するということで今考えております。  さらに、これはもう既に、昨日、脳梗塞の疑いの方を搬送しておりますけれども、そういう緊急な対応が必要な方に対しては搬送等の処置をとる。  こうしたことで、さらに、もちろん、日常的に生活上手洗いなどの、あるいは個室にいていただくなどの感染防止策もしていただきながら、船内での感染防止あるいは検疫をきちんとやるということとともに、乗っておられる方の健康管理にも私たちもしっかりサポートして万全を尽くしてまいりたいと考えております。
 
~中略~
 

篠原(豪)委員

ありがとうございます。篠原豪でございます。質問の機会を、総理にさせていただけますことを、まずもって感謝申し上げます。  短い時間でありますので、簡潔に、明快にお答えいただければ幸いでございます。  早速なんですけれども、先ほどの大串委員からもありました。私の地元に、三千七百名以上の乗員乗客が乗られているダイヤモンド・プリンセス号が、沖合に、すぐ見えるところに今停泊をしております。残念ながら、昨晩より十名の方々がPCR陽性ということが起きまして、これから、三次感染ということで非常にこの先が心配だということであります。  こうした中、新型コロナウイルスは、私の地元の皆様からも、発生以来、大変心配の声をいただいております。  といいますのも、大さん橋というところがありまして、そして中華街というところがございます。山下公園があり、そして元町商店街とか、関内、関外地区といって、大さん橋というのは横浜の大きな客船ターミナルでありまして、ここに大型の客船がどんどんどんどん次から次へと着くというところでございます。こういった中で、みなとみらいの皆さんも含めて、今、春節がありまして、中華街なんかでは三分の一から半分ぐらいのお客さんになってしまっているし、下船された方々がこれから観光に来るということで、本当にこれからどうしたらいいのかということで頭を悩ませています。  今回は一隻まず出たというところでございますが、ゴールデンウイークには、六隻同時着岸、五月六日でありますけれども、横浜は起きるということになっておりまして、その間にも大型客船が来る、入港するという予定が既に立っております。  こうした中で、やはり、お迎えする住民の皆様、そして港湾関係者の皆様、そして商店街の皆様に、本当に不安だということで、政府、しっかり対応していただきたいということをいただいております。ですので、今この時点で私からもお願いをさせていただきたいと思いますが、政府、こういったことにしっかり対応していただけるかどうか、お答えください。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  今、当該クルーズ船が臨船検疫を行っているところであるということは、もう既に答弁を申し上げたとおりでございます。まずはそれをきちんとしていくということが大事であろうと考えておりますし、今後も、更にほかのクルーズ船も来るという場合においては、きちんと横浜港周辺の海上において検疫官がクルーズ船に乗り込む臨船検疫を実施し、検疫の結果を踏まえて、着岸及び上陸を認めるかどうか検疫所長において適切に判断を行う、こういうことになります。  また、風評被害という話もございましたが、感染症の風評被害を防止するためには、国民の皆様お一人お一人がまず感染症の基本的な知識や感染予防策などを正しく御理解いただくとともに、感染症の発生状況や原因などについて正確な情報を収集し、また、お伝えをしていくということが大事であろうと考えております。  関係省庁や国立感染症研究所では、国民の皆様に必要で正確な情報を周知するために、新型コロナウイルスに関する基本情報や感染予防策、そして患者の発生状況などの情報について、それぞれのホームページなどを通じて周知をしているところでございます。  厚生労働省では、QアンドAを作成し、基本的な情報につきまして丁寧に情報発信するとともに、コールセンターなども設置をし、また、今後、インターネット等を使った方法も検討してまいります。  こうしたことを通じて国民の皆様の不安に丁寧に対応してまいりたいと考えております。
 
~中略~
 

小川委員

私も大変心配していますので、クルーズ船についても聞かせてください。  橋本副大臣、ちょっと確認ですが、潜伏期間が長いですよね。ですから、十名の方の感染が確認されたが、ウイルス保持者はほかにもいる可能性がある。  そこで、総理、午前中の答弁で、確実に自室で待機とおっしゃいました。  まず、お聞きする前に、約三千人ですか、クルーズ船に十日以上閉じ込められるというこの乗客の皆様に対しては、大変な苦痛と御心痛、不安だと思います。心よりお見舞いを申し上げたい。  しかしながら、ちょっとけさの報道を紹介した上で答弁を求めたいと思うんですが、これはいい意味で書いているんでしょうね。  幸い、船内では目立った混乱はなく、ショーが見られたりコンサートが催されたり、そして、きょうですよ、きょう、五日の予定表が配られた、午前七時半のラジオ体操に始まり、聖書勉強会、太極拳DVD、ゲームショーにカラオケタイム、予定は終日びっしりと組まれ、こよいはダンスをという最終プログラムには午後十時半、遅くまでと書かれていた。  もうちょっと加えます。  運航会社によれば、レストランなどは通常どおり営業している、広報担当者は、船内が混乱しているという情報は特に入っていない、いい情報として報じているんでしょう、これは。もちろん、武漢からチャーター便で帰ってきた人たちとは違います。  しかし、橋本副大臣、これは三千名が閉鎖空間に閉じ込められていますね。誰がウイルス保持者かわからない。そういう状況の中で、このレストランにせよ劇場にせよ、さまざまなアミューズメントにせよ、通常どおり営業していただくのは極めて情勢に鑑みて不適切だと思いますが、これは運航会社に委ねるしかないんですか。それとも、政府として何らかの措置をお願いすることができるんですか。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  これは、総理がけさ、当面、今船内におられる方々には上陸を認めないこととし、必要な期間、船内にとどまっていただき、感染を予防する行動を徹底しつつ、客室で待機していただく中でという御答弁をされました。  そして、私どもといたしましては、きょう、昨日の晩に十名の方がおられるということが、これは陽性の方が少なくともおられるということが判明をし、それから、きょう朝にその方々を搬送するというオペレーションをいたしましたけれども、その中で、当然ながら、今お話があったような状況、要するに、まだ潜伏期間の方もおられるかもしれないということにつきましては認識をし、そして、その方々からまた新たな感染が広がることを防ぐべく、その船内に対して、例えば距離を置いて、食事などの場合、必ずしも個室だけでできるとは限りませんが、多くの方が同時に食事をする場合であっても、距離を置いていただくだとかそうした形で、あるいはマスクをしていただく、手洗いをしていただく、そうしたことも徹底をするようにと申し上げております。  ただ、先ほどの、きょうにおいて、そういう大勢の人が集まるようなプログラムがあるということが仮にあったとすれば、またそのときに、更にもっと対策を徹底するべきで、伝えなければならないと思いますので、船内の様子を確認させていただきながら、しっかりと対策に取り組んでまいりたいと思います。