第201回国会 衆議院 厚生労働委員会 第4号 (令和2年3月17日(火))

尾辻委員

やはり、不安の原因の一つは、数字がわからないとか、そういうことになりますので、しっかりとわかるように出していただきたいということを要望申し上げたいというふうに思います。  続いて、橋本副大臣、来ていただきました。自見政務官とともに、この間、ダイヤモンド・プリンセス号において感染症対策に本当に御尽力をいただきまして、心からねぎらいの言葉を申し上げたいと思いますが、本当にお疲れさまでございました。  きのうから登庁されて、健康観察期間が終わったということでありまして、いろいろな困難や課題がその中であったかと思います。今もやはり、DMATの方、DPATの方を含めて対応された方には、さまざまな、何というか、誹謗中傷や差別的な扱いがあったりとかしまして、これは非常に大きな課題だと思っておりまして、この経験をしっかり生かしていただきたいというふうに思っております。  そこで、橋本副大臣の方に数点、ちょっとお尋ねをさせていただければというふうに思っております。  それが、神戸大学の医学研究科の岩田健太郎教授とのやりとりというかツイッター上でのことでありますけれども、岩田教授の方からは、船内のゾーニングについて、これが悲惨な状況であるというふうに指摘をされました。それに対して橋本副大臣が、それを打ち消すかのような、船内の写真とともに、清潔のゾーンと不潔のゾーンというふうに紹介されるツイートをされたかと思います。これは、ツイートを途中で取り消されたということなんですけれども、この取り消された理由は何だったんでしょうか。
 

橋本副大臣

まずは、ねぎらいの言葉をいただきまして、まことにありがとうございます。これからもしっかり務めてまいりたいと思います。  さて、お尋ねの、御指摘のツイートでございますけれども、これは、ダイヤモンド・プリンセス船内における感染症予防の取組ということで、厚生労働省が発表した資料をまずはツイートをして、それに補足をさせるというような意図を持って、検体採取により乗客等と直接接する者が防護措置として着用していたマスクやガウン等を脱いでから通るルートと、そうした業務に従事していない者が通るルートというのを分けているということをお示ししようということを意図して投稿したものでございます。  ただ、こうした取組を、写真をぽっと上げたものですから、客船内という特殊な環境下で行い得る適切なものと考えてはおりますけれども、その画像に写っている場所が、例えば医療関係者が主に通るエリアを撮影したものであるということであるとか、あるいは、船内の感染防御の全体のあり方、結局、それだけではなくて、乗員の方にはこういうようなことをやっている、乗客の方にはこうした手だてを講じている、それから我々サポートに入った者についてはこうだということをきちんと御説明をしないままに、何というんですかね、画像だけぽっと上げて、それはあらぬ予見を招くようなものであったかというふうにも思いましたので、その画像については削除をしたということでございます。
 

尾辻委員

ちょっと確認をしたいんですけれども、あの写真で写っていたシーンというのは適切なゾーン分けだった、適切だったというふうに評価されているのか、やはり船内という限られたところではあれが限界だったというか、これは後から検証はしなければいけないでしょうけれども、その辺の御認識はどうだったんでしょう。
 

橋本副大臣

何というんでしょうかね、最終的には政府の方で検証いただくというふうに思っておりますので、そこでさまざまな御評価をいただくものだというふうに思っておりますし、私もその検証にはしっかりと御協力をしていきたい、このように思っておりますが、ゾーニングについては、感染症の専門家の先生方にも御意見を伺い、というか、先生方にこういうふうにすべきだということを御指導いただいてやっておりました。  その中で、業務を行うゾーンと検体採取等で汚染したガウン等の感染防護具を脱ぐゾーンを分離して、まあ、ゾーンを分離してというかルートを分けていて、要は、こちら側を通る人は、例えば、陽性の乗客の方に診察等を行った、ウイルスに暴露した可能性のある方がこちら側を通って、そこで順次防護具を脱いで、そして消毒をして、そこから先に入るというルートと、それ以外の、例えば私のような事務的なことをやっている者が通るルートというのを分けていることによって、その両者が一緒に通り、出入りする中で感染が広がるということを防ぐ、そういうルート分けをしていたということです。そういったことを通じて、ゾーニング、要するに、この空間はどういう人がいる場所ということを分けていたということにつながっている。  ただ、結局、先ほど申しましたように、その画像一枚でその全体を、口頭で今いろいろ御説明しましたが、説明し切れていたかというときっとそうではなかった、ちょっと、ある意味でまさにあらぬ予見を招く可能性があるなということを思いましたので削除したわけですけれども、ただ、ゾーニングそのものについては今申し上げたような形でしておりましたし、また、感染の制御の支援チームの先生方が巡回してアドバイスというかコンサルテーションを随時していただきまして、指摘をされた点についてはその日中に対応するというようなことで改善を積み重ねていっておりました。  また、二月五日以降に個室管理等々の措置を始めたわけですけれども、ゾーニングなどの措置がとられて、それから徐々に発症者が減少し、二月十九日の時点でほぼ感染者の発症がないという状況で、これは資料でそういうのをお示しをしております。そういう意味でも、船内での感染拡大防止の措置が有効に行われていたということは二月十九日の専門家会議におきましても確認されたところと承知をしております。
 

尾辻委員

ああいうふうに一枚写真を出したということについては、やはり課題があったということですよね。この辺、どういうふうに情報を出していくかというのは、やはりリスクコミュニケーションにおいても非常に大事だと思っております。  あと、済みません、ちょっと一点だけ短く確認させていただきたいんですが、岩田先生と橋本副大臣の意見が分かれているところが一点あって、船内でお二人が会われたのかどうか。岩田先生はツイッターで、橋本岳さんにはお目にかかっていませんとツイートされているんですけれども、副大臣の方は、お見かけした際に私から御挨拶をして、御用向きを伺ったものの明確な御返事がなく、よって丁寧に船舶から御退去をいただきましたというふうにあるんですね。これは、事実としてはどちらでしょうか。
 

橋本副大臣

私の認識している事実ということを申し上げるしかないのですけれども、私はそのときに、船内の作業スペースの奥の方で一人でパソコンを打っておりました。大きなマスクをし、それから厚生労働省の作業着の上着を着、あと衛生用のポシェットをつけて、アルコールをぶら下げてみたいな、そんな格好をしておりました。岩田先生だと私は認識をしましたけれども、ただ、直接面識があったわけではございません。おられましたので、厚生労働省の橋本と申しますが、岩田先生とお見かけをしますがというお声がけをしたと認識をしております。名刺交換を実はしようとしたんですが、それをお断りになられましたので、名刺交換はできておりません。こういう状況がございました。  ですので、今振り返ってみますと、もともと私と岩田先生は今まで面識がございませんでしたので、突然厚生労働省の橋本ですと言われて、その人が副大臣だったかどうかということを、私も副大臣ですということをあえて申し上げてもおりませんので、そこは岩田先生がそういう、何というんですかね、御認識をされなかったのかなというふうに私は受けとめております。