高嶋政府参考人
お答えいたします。 御承知のとおり、閣議了解等に基づきまして、当初は中国だけでしたが、順次上陸拒否地域を拡大いたしまして、四月一日におきまして、新型コロナウイルス感染症対策本部における四月一日の報告を踏まえまして、中国及び韓国における上陸拒否の対象地域をそれぞれ全域に拡大することも含めまして、四月三日から、四十九の国・地域を追加して、合計七十三の国・地域に滞在歴がある外国人につきまして、特段の事情がない限り上陸を拒否することとしたところであります。 検疫所との連携状況についての御質問でございますが、検疫所は、航空機等の乗客に対し、上陸拒否の対象地域における滞在歴を確認しまして、検疫を終えた段階でその滞在歴の有無を示す書類を交付し、乗客を上陸審査場に誘導しております。 そして、上陸審査場におきましては、出入国在留管理庁が外国人から上陸申請を受け、入国審査官が、検疫所が交付したその上陸拒否の対象地域滞在歴の有無を示す書類を確認した上で、滞在歴なしを示す書類を提示した者につきましては、再度ここで上陸拒否対象地域での滞在歴の有無を確認することとしております。この時点で、滞在歴なしという紙を持っていたけれどもよくよく聞いて滞在歴が認められた者、あるいは、そもそも検疫所が交付するはずの滞在歴を示す書類を所持していない者につきましては検疫所に差し戻すということをしております。 このように、検疫と入国審査の連携による上陸拒否対象地域での滞在歴の二重チェックを行うなど、水際対策を徹底しているところでございます。 なお、滞在歴ありを示す書類を提示した者につきましては慎重審査を行うこととしておりまして、特段の事情のない限り上陸を拒否しているところでございます。
橋本副大臣
検疫を所管をしております厚生労働省の方からも答弁をいたします。 今法務省の方からお答えがあったことの裏返しということになりますが、空港における検疫所と出入国管理庁との連携につきまして、まず、検疫所において、入管法に基づく入国拒否対象地域への滞在歴を確認するための紙を配付をいたします。滞在歴や発熱等の疑いが確認された場合には詳細に症状等を確認をする、その上で、入国審査の際に、当該の紙を所持しているかどうか、あるいは所持している場合でも再度滞在歴を確認して、必要に応じて検疫所に乗客を差し戻していただく、そのような形での連携を行っていることでございまして、引き続き検疫所と出入国在留管理庁の連携を強化し着実な検疫を実施してまいりたい、このように考えております。
~中略~
源馬分科員
ぜひお願いします。 これはもう事前のレクの時点でお伝えしていることなので、今から調べるんじゃなくて、できたらもっと前にちゃんと調べておいていただきたかったと思います。実際、こうしてチェックも何もしていないんだけれども判こを既に押した紙をまいているだけだったら、何の意味もないと思いますので。 ちなみに、この方はトランジットじゃありません、直行便で戻ってきた方。ただ何も書いていないのに判こだけ押されたものを渡されて、そのうち一人はそれすら渡されなかった、そのまま公共交通機関で帰ってきた、そういうケースがありましたので、ここはぜひ事実関係をしっかり、まだ把握されていないんだったら把握をして、また教えていただきたいと思います。 それから、これは、済みません、通告に間に合わなかったんですが、ちょっと質問させていただきたいということは、けさお伝えをさせていただきました。 これも一つの事例ですけれども、これは成田です。三月二十九日にフランスから成田に到着された大学生の方からお話を直接伺いました。きょうは資料の八番、九番に、その方がまとめた内容、どういう体制だったかという内容が記入をされております。 まず、空港に着き、検疫所で検査などを行った、ただ、その検査にも二時間半ほどかかった、ここで検査が終わって、保護者などの運転があって自分の家に帰れる、そういう人は自宅に帰って十四日間待機をしていてください、そして、そのほかの人は空港周辺のホテルで十四日間待機をしてくれ、こういうことになったということです。それが八時半ですね。二十九日の八時半に戻ってきて、そういうことがあったと。 そして、詳細はこの資料を読んでいただければいいんですが、八時半から夜になり、夜中の一時ですね、二日目に入った夜中の一時に、二十三時ぐらいには出るんじゃないかと言われていた検査結果が二時間おくれてやっと出た。私がお話を聞いたこの方以外の方は、二十人ほどいたそうですが、その方たちは全員陰性で、そのまま空港周辺のホテルに行った。ただ、この方は、検体の採取の量が少なかったということで、更に時間がかかると言われた。引き続き空港で待機するように言われた。それが夜中の一時。検疫官も帰宅をされた。 そして、朝九時になり、検疫官がまた出勤をしてきたときに、どうなっていますかと聞くと、まだ検査は出ていないと。もう丸一日滞在していて、疲れがあって体調もすぐれないというふうに伝えたんだけれども、取り合ってもらえずに、また更にその待合室でずっと待たされた。そして、午後になり、二時、これも、体調が悪くなり、お母様を通じて空港の検疫科に連絡をしてもらったんだけれども、なかなか事態は改善されなかったということでございます。 そして、裏に行ってもらって、三時半、ようやくその検疫所のちょっと偉い方だと思われる方が看護の方といらして、もうきのうの朝からずっと空港にいるということを伝えて、そうすると、ようやく東横インの成田空港本館で結果を待つことができるようになった。 この方はそれまで知らなかったそうなんですが、実は、検査結果を待つ間は、基本的には成田空港の本館で待てることになっていた。しかし、この方は二十九日に帰ってきて、そのときいっぱいだったから空港の待合室で待てと言われて、ずっとそのまま待って、三十日も待ちました。でも、三十日の便で帰ってきた人たちは、もう東横イン成田空港に既に入っていた。自分だけずっと三十何時間待たされたということを、そのとき初めて知るわけです。 それを知った、もう五時半ですね、三十時間以上たった二日目の五時半に、厚生労働省から簡単な謝罪があった。非常に軽かったという印象を持たれています。 三十四時間、結局この方は空港の待合室で待機をさせられたということを伺いましたが、この事案について副大臣は認識されているんでしょうか。
橋本副大臣
お答えをいたします。 私は、この事案につきまして、朝、朝というか、知ったところでございます。 今、目を通しておりますが、このようなことにつきまして、確かに検疫所の方は、累次にわたり、地域の区分が変わったりだとか、そうしたことで、あるいはPCR検査なども時間がかかる場合もあるというようなことの中で、そして、たくさんの人が戻ってこられるという中で、ふだんとは異なるオペレーションをしております。そうした中でこの事実があったということであれば、恐らくは、何らかの連絡の行き違いだとか、そうしたことの中でこうしてお待たせをする人が出てしまったのかもしれないな、このように受けとめております。 事実関係につきまして改めて確認はさせていただきたいと思っておりますけれども、こうしたことがあったということであれば、我々としては、今後は改善をし、ここまでお待たせをすることがないように努力をしてまいりたいと思っておりますし、この方につきましては申しわけなく思っておるところであります。
源馬分科員
副大臣はけさお知りになったということを聞きまして、少し驚きました。 事前のレクの段階で、通告は結局そのときはしなかったんですが、担当してくださった検疫所業務管理室の方から、その方は把握しているというふうにおっしゃっていました。その方が直接この大学生にお電話もしたということをおっしゃっておりました。なので、私は、そこで実はちゃんと対応されたのかなと思っていて、今回、質問には入れないようにしようかなと思っていたんですが、きのう、その当事者の方と直接お話をしてみると随分厚労省が言っていることと違うなということがあったので、急遽、質問させていただいたんですが。 これを検疫所業務管理室は把握していたわけですよね。それを副大臣に今まで報告をしなかったということは、どういうことなんでしょうか。そういうことは通常なんですか。こういう問題があっても大臣や副大臣には報告しないというのが通常のやり方なんでしょうか。
浅沼政府参考人
お答えいたします。 日々刻々と変わる新型コロナウイルス感染症対策の中で、特に入国時における検疫体制というのは日々大変な負担が重なっているところでございまして、現場といたしましては大変な対応の中でこうした事案が生じているものと思われます。 ですので、この生じた事案につきましては大変我々も反省しておりますし、こうした事案を糧にして、次なる改善、対応策の強化などに努めているところでございますが、大変恐縮でございます、一例一例きちっと政務の方に上げなければいけないという御指摘であるならば、上げなければいけないということで、我々としては大変反省している次第でございます。
源馬分科員
私も、厚労省の皆さんが、厚労省の方だけではなくて、今の新型コロナウイルス対策で皆さんとても大変な思いをされていて、真剣にやってくださっているということは重々わかっております。その中で、小さな、例えば全てのことを報告しなくてはいけないということではないにしても、やはり一人の日本人が三十何時間も空港で待たされて、それは、忙しかったからということはもちろんあるとは思いますけれども、やはりこれはその方の人権にも大きくかかわりますし、忙しいからいいんだ、仕方ないんだということではないと思うんですね。しかも、それを政府に報告するということ自体はそんなに大変なことではないと思いますよ、それを報告するということ自体は。せめてきちんと報告はしておいていただきたかったなと思います。 その方がいろいろ感じたことの中に、幾つかありました、そうやって自分が待たされたということもそうだけれども、その待合室の中で、検疫所で紙の記入、検査を行うんだけれども、他人と一メートル間隔をとることも別に徹底されておらず、そうした声もかからなかったと。そして、そのときに配られる紙、検疫強化対象国として、その方はフランスから帰ってきたんですが、フランスがまだ対象国として追加される前の書類を間違って配られていた。そして、検疫や検査を受けるときに子供連れの家族などが優先されるということもなかったと。 それから、二日目、その方は丸二日以上空港で待たされたわけですが、ほっておかれて待たされたわけですけれども、その二日目の三十日は、夕方の六時半まで空港で待機になっていたんだけれども、一回も食事も配っていただけなかったという問題も。御飯が欲しいとか言っているわけじゃないんですよ。でも、そうして待っていてくださいと言うからには、人間らしい扱いをやはりするべきではないかなと思います。 そして、体調が悪いということも検疫官の方に何度も伝えたんだけれども、ずっと寝る場所もない空港の待合室で待たされた。 それから、その方は二十九日に朝到着したんだけれども、後の便で帰国された方たちが次々と東横インの成田空港本館で待てるようになったのに、自分だけは空港の待合室にぽつんと残された、こういうことがあるんですね。 これを聞いても、まあ忙しいから仕方ない、そういうお考えなんでしょうか。
浅沼政府参考人
お答えいたします。 きょういただいた事案につきましては、これは、再検査が間に入っておりますので、ここのところでお時間をとってしまったのではないかと。 通常の検査で結果が出るとするならば、それでも一日、ほぼ一日弱ですけれども、の時間がかかってしまう。これは本当に、入国者の方が大変ふえておりまして、検査体制の能力の中の限界でございますが、それでも、できる限り快適な場所で待機していただこうということで、私どもも、近隣のホテル、御理解のあるところにホテルをとりまして、風評被害があると言われているホテル業界からも、数少ない協力をしてもらっているホテルから、こういった形で対応をさせていただいたところでございます。 ただ、本当に残念だなと思っていますのは、確かに再検査がなければもっと早く対応できたことですし、その後に検疫官の方も、いろいろと対応していますけれども、もっとこの方の御意見に耳を傾けて対応させていただければよかったのではないかというふうに深く反省しています。 こうした事例も踏まえまして、私どもも、お子さんがいる方、妊婦の方など、いわゆる弱者の方々につきましては特段の配慮をするように検疫所の方には指示しておりまして、こういったことのないように現在は取り組んでいるところでございます。
橋本副大臣
今審議官から答弁をしたとおりではございますけれども、こうしたことがあったということは申しわけなく、かつ残念なことでございますし、今後、今注意をしているということがございましたけれども、今後も多数の方が御帰国になります。そうした中で、こうしたことが起きないように努力してまいりたいと考えております。