第201回国会 衆議院 文部科学委員会 第7号 (令和2年5月15日(金))

川内委員

いずれにしても、大学病院、国立も私立も大幅な減収になると。きょうは橋本副大臣にも来ていただいて、ありがとうございます、お忙しい中。  民間の病院、診療所、医療従事者、皆さん大変な思いをしているわけですね。持続化給付金は収入が五割減ると給付金の対象だよということになっているわけですが、私、この医療の世界については、二割でも三割でも減収になれば持続化給付金の支給対象とするべきであるというふうに思うんですけれども、厚労副大臣として、経産大臣に対してそういうネゴをされたらいかがかというふうに思いますが、いかがですか。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  今なお新型コロナウイルス感染症が拡大をしているというか、今終息には向かいつつありますけれども、そうした状況下におきまして、医療機関、委員御指摘のとおり減収のところが多いということは私どもも認識をしております。  ただ、何のためにそれが起こったのかというのは恐らく事情はそれぞれでありまして、患者を受けるためベッドをあけた、そのために減収してしまったというところもありますし、コロナウイルスの患者を受けないんだけれども、純粋に患者の方が受診を控えられたので減収した、そうした例もあろうかと思います。そうしたことを丁寧に見ていくことがまずは大事ではないかと思っております。  私どもといたしましては、診療報酬におきまして、まずは重症の新型コロナウイルス感染症患者に対する一定の診療への評価を二倍に引き上げることなど、コロナウイルス感染症患者の診療について診療報酬の特例的な取扱いを措置するとともに、地域の実情に応じた柔軟かつ機動的な都道府県の取組を包括的に支援するための新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の創設、また、独立法人福祉医療機構における無利子無担保等の優遇の支援などを行ってきたところでございまして、さらに、二次補正というお話もございますけれども、そうしたことも頭に置きながら、何ができるかについて、まずはその関係団体の皆様ともしっかりお話をし状況をお伺いして、経営状況を私どもとしてきちんと把握をし、そして何ができるか考えていきたい、このように思っているところでございます。
 

川内委員

丁寧に見ていくんだと橋本副大臣はおっしゃるんですけれども、先ほど、国立大学でも年間を通せば二千億を超える収益減だ、私立大学も同じぐらい大変だろうという伯井高等局長の御答弁だったわけですけれども、丁寧に見ている間に別な意味の医療が崩壊しますよね、経営が成り立たないという意味において。  だから、ここはある程度見切りも大事ではないかというふうに思いますし、この新型コロナ対策の緊急包括支援交付金、地域の病院や診療所などが、PCR検査のための装置、設備、防護具などの費用に対しても交付されるというふうに聞いておりますが、既に先行して資金を負担しているところもたくさんあるんだろうというふうに思います。事後でも交付の対象となるということでよろしいでしょうか。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  新たに創設をいたしました新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金では、帰国者・接触外来などにおいて、四月以降に、要するに今年度に購入をしていただいたもの、その対象となるものにつきましては、交付金の交付決定の前に購入したものでありましても補助の対象とする、このようにしております。
 

川内委員

何かちょっと微妙ですね。四月以降に購入したものについてはでしょう。  だから、何でそんな限定をつけるのかちょっとよくわかんないですね。ちょっとその辺は事業の交付要綱の中に書いてあることでしょうから、ちょっとその辺、見直してくださいよ。新型コロナの問題はもう二月から始まっているわけですから、そこはちょっと変えると言ってください。
 

度の、要するにことしの補正予算での今回の交付金の創設でございますので、年度ということで御答弁を申し上げたところでございます。  ただ、委員が御指摘をいただきましたように、医療機関の経営そのものが大変だというのは、特に診療報酬の支払いというのは二カ月おくれて来ます。したがって、これから本当にあらわになってくるんだろう、まさに、それこそ六月とかが、ボーナスも払わなきゃいけないし、大変苦しいというようなお話も私たちも認識はしているところでございまして、この交付金がということにとどまらず、今さまざまな方策を考えているところでございますので、またしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 

川内委員

いや、橋本さんらしくない。しっかり取り組んでまいりたいと思いますと言えばいいかと思って。全然、だからきちんと、やはり具体的に支援することを考えていただかないと大変なんだと思うんですよ。  ここは大臣にまたお尋ねしますけれども、例えば国立大学の附属病院などで、新型コロナウイルス感染症の検査とか治療の最前線に立っていらっしゃる医師や看護師や検査技師や臨床工学士などの医療従事者、あるいは介護従事者。これは私は、何か拍手でみんなで感謝しましょうみたいなのをやっていますけれども、拍手じゃなくて、やはり報奨金みたいな手当をちゃんと渡さなきゃいかぬと思うんですよ。  そういうことも文科大臣として考えていらっしゃるのかということを教えていただいていいですか。
 

萩生田国務大臣

まず、全国の大学病院において、多くの医療従事者の皆様が昼夜を分かたず、新型コロナウイルス感染症の対応に当たられていることに、この場をかりて感謝を申し上げたいと思います。  こんなところでつまらない縦割りを持ち込むつもりもないんですけれども、私が唯一サポートできるのは大学の附属病院で、だけれども、じゃ、大学の附属病院だけじゃなくて、地域の公立病院も医療法人の病院もみんな頑張っているわけですから、できれば同じルールで厚労省と一緒に支援策というのを積み上げていきたいんですけれども、これはこの国の宿命でございまして、それぞれいろいろ考えていかなきゃならない部分もございます。  医療従事者の皆さんに対する危険手当等については、厚労省が診療報酬において、危険手当として日額四千円相当が支給されることを念頭に、新型コロナウイルス感染症対応の特例措置も講じており、これを受け、大学病院においても危険手当等の支払いを行っている事例がございます。  新型コロナウイルス感染症対応を支えているのは医療従事者の皆様であり、診療報酬を活用した手当のみならず、医療安全にきめ細かく目配りをし、医療従事者が安心、安全に診療に専念でき、大学病院が国民の期待に応えられるように、関係省庁とも連携し、しっかり支援をしてまいりたいと思います。  この未曽有のウイルスとの戦いの中で、お金のことを心配しながら国民の皆さんを守ってくれというわけにはいきませんので、大学病院につきましては、国立だったら運営費交付金を前倒しをしようと思って、とりあえずキャッシュを先に渡しておこうと思っています。私学も、私学助成でいくのか無利子の貸付けを文科省として責任持って渡すのか。いずれにしても、お金のことでばたばたすることがないように、環境だけは、私の所管の大学病院についてはしっかりやっていきたいなと思っています。
 

川内委員

運営費交付金なり私学助成なりで配慮はするんだよということですが、例えば診療報酬にしても倍増している、倍の点数をつけていますと。しかし、一人当たりにすればそれは四千円になるかもしれないけれども、経営が苦しいわけですから、診療報酬はその減収の穴埋めになってしまうということで、文科大臣が、自分の所管の範囲で、所管の施設にいる医療従事者に対しては危険手当ではなく感謝手当だということでやるよと言えば、これは厚労省だってやらざるを得ないでしょう、全ての病院に対して。そういうことをやるのが私は内閣だというふうに思うんですよ。  橋本副大臣、医療従事者に対する感謝手当を、厚労省としても二次補正に向けて私は考えなきゃいかぬと。だって、民間の病院は減収しているからボーナスないんですよ、こんな大変な思いをしているのに。それでいいと思わないでしょう。いいと思わないんだったら、何らか工夫する、手だてを考える、一生懸命考えるということを御答弁いただきたいと思います。
 

橋本副大臣

委員の、医療現場などで立っておられる方々に感謝、そして、それをきちんと具体的に示すべきだというお気持ちは、大変私も共感をしているところでございます。  これは、先ほど萩生田大臣からも御答弁いただきましたが、診療報酬において引上げをしたときに、感染症の患者に直接向き合う医療従事者の皆様に危険手当として日額四千円相当が支給されることを念頭に、その人員配置に応じた診療報酬の引上げなども行っております。  その上で、さらに今後、まずは、例えば現場の方々に対して、これは処遇というだけではなくて、仮にマスクが足りないとか、そうした状況もよく言われております。それについてしっかりとお届けをして、きちんと安心をして現場に立っていただけるようにするだとか、さまざまな形で具体的に、取り組んでいただけるようなサポートをするのが私たちの仕事だろうというふうに思っております。  まず、それこそ二次補正の編成をこれからというところでございますので、ちょっと具体的に今申し上げるふうになっておりませんけれども、お気持ちをしっかりと受けとめて具体化を目指していきたいな、このように思っております。