第201回国会 衆議院 地方創生に関する特別委員会 第8号 (令和2年5月20日(水))

清水委員

今お答えいただいたところでありまして、新型コロナ禍で、よもや自分がという方が生活に行き詰まり、生活保護の申請をせざるを得ないという状況にある。そういった場合に、保護の申請権が侵害されないこと、また侵害していると思われるような、疑われるような行為も慎むことということがこの四月七日の事務連絡に書かれております。重要なことは、五月八日には再度、そうしたことも現場では見受けられるので、再度対応を徹底し、そうしたことがあれば指導するようにということで出したものだというふうに今お答えがございました。  それで、NPO法人のしんぐるまざあず・ふぉーらむ、ここの赤石理事長のお話によりますと、新型コロナウイルス感染拡大のもとで相談が急増しているということなんですね。三月以降、仕事に行けないという人が多く、収入が激減し、食べるものにも事欠くという状況だと。この団体が、実はこうした方々にお米やお米券をお届けしたそうなんですね。大変喜ばれたと。そうした方からこのような返答があったというんですよね。雑炊でなくてお米が食べられていいねとか、あるいは、この間は川岸で野草をとって食べていたと。本当かなと思うような深刻な実態がお礼とともに寄せられたということですから、非常に深刻だと思うんです。  今御説明いただいた厚労省の通達、事務連絡ですが、ここまで急激に暮らしが悪化した一人親家庭、深刻だと思うんですね。一時的に今生活保護を申請したいという際に、従来と比べても速やかに対応していただくということの趣旨であるということを、厚生労働省の橋本岳副大臣に御答弁いただきたいと思います。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  四月七日の通達、それから五月八日の通知、それぞれ出しておりまして、趣旨はもう御説明をいただいた、あるいは答弁をしたとおりでございます。  やはり、今回の新型コロナウイルスの感染症の影響によりまして、経済に、あるいは個々の方々の暮らしに大変な影響が出ているということは大変我々も重く受けとめているところでございまして、その中で、きちんと法律上認められた保護の申請権を侵害をしない、あるいは侵害をしていると疑われるような行為も厳に慎むべきである、また、その相談の中において、やはり感染症の拡大という局面にありますから、いたずらに長くいろいろなことを聞くというよりも、必要なことを聞く、お伺いをしてきちんと決定をする、そうしたことに取り組んでほしい、こういうことで通達を出させていただきました。  引き続き、そうした申請に対しましてきちんと対応していくように取り組んでまいりたいと考えております。
 

清水委員

ありがとうございます。  離婚した女性、一人親家庭の場合、申請のときには扶養届出書というのが例えば元配偶者だとかあるいは親族に発送される、そのことで居どころが知られるのではないかとか、あるいは自分が保護を受けるということについてスティグマを感じているとか、そうした方々が申請をためらうというケースもあると思うんですね。今、橋本岳副大臣からは、こういった状況のもとですから、できるだけ迅速に、そして聞き取り内容も簡便にということでありましたので、そうしたことがあるということもぜひお知りおきいただいて、今言った、ためらわなければならない要因等についても今後検討していただきたい、柔軟に対応していただきたいと思います。  それで、ちょっと確認だけしておきたいんですけれども、例えば、今、雇用が失われるとか、派遣切りとかいうこともございます。それで、もともと被保護者の親のもとに、仕事を失った、あるいは首を切られた、そういう御子息が実家に戻る、その際、世帯として保護を申請するわけなんですが、その戻ってきた息子さんが自動車を保有しているということで、窓口で自動車の処分を申請の条件にされたという事例を私は伺っております。  まとめて答えていただいたらいいんですけれども、今、本当に、飲食店の方々、あるいはカラオケですよね、三密を避けるために閑古鳥、あるいは休業要請で売上げがゼロ、こうした方々が一時的に生活保護を申し込む場合ですよね。しかし、いずれ解除されて、また営業が再開できるという見通しになれば営業を続けたい、こういう方々の店舗とかあるいはカラオケ機器とか、こうしたものについてやはり処分の対象になるのかという問合せも寄せられておりますので、この事務連絡の内容に沿って、対応について説明いただければありがたいのですが、厚労省、いかがでしょうか。
 

辺見政府参考人

お答え申し上げます。  被保護者の世帯の状況については、さまざまでございますので、具体的なことについて一概に申し上げることは難しいところでございますけれども、事業用の家屋ですとか事業用品について、処分価値が利用価値に比べて著しく大きいものでなければ保有を認めているところでございます。また、自動車につきましては、地域の事情により、通勤用として利用する場合などには保有を認めているところでございます。  こうしたことにつきまして、四月七日に発出いたしました事務連絡においては、現下の状況において一時的な収入減少により保護が必要となる方について、今般の事態の収束後、スムーズに就労再開できるように、通勤用自動車ですとか自営業に必要な資産の保有を柔軟に取り扱うよう改めて周知しているところでございます。
 

清水委員

ぜひお願いしたいと思います。  四月七日の事務連絡では、緊急事態措置区域における緊急事態措置期間の生活保護業務の取扱いについて都道府県に要請しているわけです。報道によりますと、あす以降、大阪、兵庫、京都については宣言解除の調整に入ったというふうにも伺っております。仮に緊急事態宣言が解除されたとしても、引き続きコロナの影響を受けてしまう業種の方、いらっしゃると思うんですね。やはり経済が回復するまで、引き続きこの事務連絡と同様の措置を行うことを、これは自治体の判断でできるということでよろしいでしょうか。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  感染状況に応じて緊急事態宣言が解除を既にされている地域もございます。まあ、ちょっと、あすどうなるかということはまだあしたになってみないとわかりませんが、こうした地域におきましても、引き続き感染防止の取組が必要でございます。直ちに、宣言が解除されたからといって、その経済活動あるいは雇用などの状況がもとに戻るという話でもないんだろうというふうに思っております。  現下の状況におきまして、緊急事態宣言が終了した後も状況に応じて弾力的な運用を行うことが必要と考えておりまして、これは、四月七日の事務連絡につきまして先ほど御指摘いただきましたけれども、その後に、なおということで、その他の区域及び期間においても、組織的な判断のもと、同様に取り扱っていただいても差し支えありませんということで、弾力的な運用について、解除されたからといって直ちにやめなさいということではなくて、きちんと組織的な判断のもとで続けるということも差し支えないと示しております。  やはり、先ほど答弁申し上げましたが、生活保護の申請がふえている、あるいはお話もありましたようなこともあったかと思いますが、引き続ききちんと感染防止に留意しつつ、速やかな保護決定が行われる、必要な方に保護決定が行われるようにしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。