吉良委員
日本共産党の吉良よし子です。 今日にも緊急事態宣言解除と言われているわけですけれども、解除をたとえされたとしても、引き続き感染拡大防止の対策というのは必要なわけです。この間、例えば医療機関向けのマスクや個人防護具の配布については国と自治体が協力して行っているということですが、じゃ、本当に必要な機関に十分に配布されていると言えるのかという懸念があるわけです。今日は、その中でも、助産院を始めとした分娩施設や自治体が行っている母子健康施策の現場の状況について伺いたいと思います。 五月の七日、ユニセフは、新型コロナウイルス感染症拡大の下で世界数百万人の妊婦とその赤ちゃんが大きなリスクにさらされる可能性があるとして、各国政府などに対して、医療従事者へ個人防護具を保持させることや、妊婦健診、出産前後のケアに加え、コロナ感染症に係るケアを妊婦にも受けられるようにするなどの緊急の呼びかけを行ったものです。 とりわけ、このマスクやガウンなどの個人用防護具というのは助産院含む全ての分娩施設に必要と思うわけですが、行き届いているのかどうか、厚労副大臣、厚労省、把握をされているでしょうか。
橋本副大臣
今お尋ねの個人防護具、サージカルマスクですとかガウンですとか、そうしたものにつきまして、医療従事者の感染防護に必要な各種物資につきましては、助産院や産婦人科なども含めまして必要な医療機関等に対して行き渡るよう、都道府県を通じてある程度まとまった量を一、二週間に一度定期的に配布することにしておりまして、その状況につきましてはホームページ等でも都度公表しているところでございます。 具体的なその配布先につきましては、やはり新型コロナウイルス感染患者への対応を行っている医療機関や救急医療機関を優先をするということはございますけれども、それに加えまして、それ以外の医療機関等であっても、在庫の不足の程度などの個別のニーズを考慮して配布するよう都道府県に依頼をしておりまして、都道府県の判断により助産所や産婦人科等にも配布をされている、このように承知をしております。周産期医療を行う施設への配布実績につきましては、周産期医療を提供する医療機関等にも配布するとともに、例えば助産所や産婦人科等についてはサージカルマスクを約三十八万枚配布をしている、そのような実績もございます。 このように、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関や救急機関への配布を優先しつつ、都道府県の判断で備蓄状況等も勘案して配布をするということにしておりまして、委員御指摘の周産期医療を行う分娩施設等も含めて医療機関等のニーズにきめ細やかに対応してまいりたいと、このように考えております。
吉良委員
きめ細やかに対応で、都道府県の判断によって届いているはずだという御答弁だったんですけれども、私、実際に助産院の皆さんにお話伺いました。例えば、京都の分娩取扱助産院、全く届いていない、東京都内の助産院も全く届いていない、そういう声を聞いているわけですね。 本当に十分に行き渡っていると言えるのでしょうか。もう一度把握状況をお願いしたいと思います。
橋本副大臣
私どもの方で、まずは、そうですね、都道府県を通じて、都道府県にお送りをして、それを配布をしていただいているというのは先ほど答弁のとおりでございます。 また、これはGMISというシステムを使いまして、そこで入力をしていただいて、緊急にその備蓄がない、足りないというものについてお送りをするという仕組みはございます。ただ、こちらの仕組みの方は今のところ病院が対象でございまして、助産院等がそのシステムを入力することになっていないという課題は残っております。 また、都道府県等で、必ずしもそうした、もしニーズが把握できていない、あるいはそれが現場に届いていないということも、それは、今委員御指摘があったのはきっとそうしたお声があったということでありましょうから、改めましてしっかりと都道府県の方でそうしたニーズなどを把握をしていただいて、またしっかりお届けをするように、私どもとしても改めて注意をしてまいりたいと考えます。
吉良委員
結局、都道府県通じてということなので、本当に必要なところに届いていないんじゃないかと、やはりここは国が責任を持って必要なところに届けるべきじゃないかと思うわけです。 お産というのは本当に密な状況で行われるものなんです。とりわけ、妊婦というのは陣痛が始まってお産が始まると呼気も荒くなります。そうした苦しい状態なので、助産師そして医師も本当に密接に関わりながらお産をすると。場合によっては数時間から十時間以上とか長時間にわたっての分娩になるわけです。 そういう中では、もうこの医療用防護具、個人防護具というのは必要不可欠なんですけれども、一方で、この助産院というところは、通常はできる限り自然な状態でリラックスして妊娠、出産していただきたいと、出産していただきたいということで、通常の状態では、医療防護具みたいなフェースシールドとかそうしたものは常備していない、先ほど備蓄というお話ありましたけれども、そもそも持っていないという状態なわけですね。 だから、やっぱりそういう、本来は常時備蓄はしていないけれども、こういう状態だからこそ必要だというところがこの助産院だと思うわけです。そういうところに抜け漏れないように、本当に国の責任で、自治体に丸投げということではなくて、国の責任として届け切るべきだと思いますが、もう一度、いかがでしょうか。
橋本副大臣
私どもも決して丸投げというつもりで申し上げているつもりはございません。 ただ、やはり地域地域の医療提供体制の状況、もちろんお話しいただきました周産期医療の状況も含めて、それはやはり各地域の方がよく知っていらっしゃるというところもありますので、やはり都道府県と協力をしながらしっかりとお届けできるように私たちも努力をしてまいりたいと考えております。
~中略~
伊波委員
今後、予想される感染拡大の第二波に向けて備えなければならないと思います。 GMISのお話ししておりますけれども、現在六千ほどつながっているようですが、八千あるいは一万ぐらいの医療施設。毎日、じゃ三十三万枚ぐらい送っているんでしょうか。それでも一か所だって三十枚ぐらいしか行かないわけですよね。そこら辺を考えると、数字はやはりしっかりと把握していただきたいと思います。 第一波では、感染症対応の医療機関、文字どおり医療崩壊の瀬戸際まで追い詰められました。コロナウイルス対応をした医療機関は、通常病院経営が圧迫され、経営的にも厳しい状況とされています。 沖縄県保険医協会の調査でも、開業医の九割が四月の外来患者が昨年比で減ったと回答しています。全国的にも、感染を警戒して、必要な受診や入院を控えたり、乳幼児の予防接種を控えたりしたため、四月以降、外来、入院とも大幅に患者数が減少しており、医療機関の経営に深刻な影響が生じています。 日本医師会も医療機関への経済支援を要請しています。第二波への備えを含め、国民の生命と健康を守るため、医療機関や医療従事者の生活を支える必要があると考えますが、医療体制支援の第二次補正予算案や診療報酬制度の運用など、どうしようとしていますか。
橋本副大臣
今委員からお話がございましたように、新型コロナウイルス患者への対応を行っているかどうかによらず、医療機関では、外来患者、入院患者の減少により経営が圧迫を、悪化をしているということは私どもも承知をしているところでございます。 まず、考え方として、地域の医療機関は、複数の医療機関が連携して面で対応するものである、ですから、どこか一部が欠ければもう成り立たなくなる、そういうものであろうと思っておりまして、医療機関全般の運営基盤を確保することによって初めて医療提供体制が維持できるというものだと思っております。 そういう意味で、新型コロナウイルス患者を受け入れている医療機関に対してしっかり支援をしつつ、あわせて、地域の医療を担う医療機関全般に対する支援を行うことも重要だと考えております。 このため、新型コロナウイルス感染症により経営に影響が出ている医療機関に対しては、これまで、その診療報酬の特例的な引上げ、あるいは新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金による支援、また福祉医療機構による無利子無担保の優遇等により対応してきましたし、また、これは持続化給付金の方も御利用をいただけるところもある。 ただ、私どもとして、それだけで十分であるとは今のところ思っておりません。今、二次補正予算の編成が大詰めということでありますけれども、その中で、さらにしっかりとした、面でその地域の医療提供体制が守れるようにということ、あるいは医療従事者の方々にしっかりとこれからも支えていただけるようにという思いを込めてその編成作業に当たっているところでございますので、またそのところはしっかりと頑張っていきたい、努力をしてまいりたいと、このように思っているところでございます。