第203回国会 衆議院 厚生労働委員会 第3号 (令和2年11月13日)

橋本委員

皆さん、おはようございます。自由民主党・無所属の会の橋本岳でございます。  きょうは、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案の質疑ということで、二十分いただきましたので、質問をさせていただきます。  まず、法案の質疑に入る前に、きょうの新聞等々で、国内感染が千六百五十三人で一日最多であったということが報道されている情勢がございます。九月からだらだらっと新規感染者がそれなりにいるという状態が続いていて、そして十一月に入ってぐっと上がってきたな、感染者数が伸びてきたなと思っていて、こういう状況になっているわけでありますので、これは、総理も、爆発的な感染拡大を防ぐんだ、こうおっしゃっていますから、みんなでそれに取り組んでいかなきゃいけない状況だろうと思っています。  一つ確認というか心配をしていることがございまして、もちろん、医療機関が逼迫をするであるとか、そもそも感染そのものも、感染者がふえるということはよくないですから、抑えなきゃいけないということは当然なんでありますが、その上に、結局、経済がやはりどうしても影響を受ける、あるいは雇用も心配な面が最近ある、そして、一番心配しているのが、出生率だとか、あるいは、最近でいうと妊娠届の提出が昨年比で減っているというようなことがあって、少子化が加速をしてしまうのではないのかという心配があります。やはり、仮にそれが長期間続いてしまうと、年金だとか医療だとか介護といった社会保障の基盤そのもの、あるいは持続可能性というものに影響を及ぼし得るのではないのか、それを大変心配しているんです。  まず、そのあたりについての厚生労働省の認識をひとつお尋ねしたいと思います。
 

田村国務大臣

橋本委員には、先般まで副大臣ということで、厚生労働省、大変お世話になったわけでありますが、引き続き与党の立場からいろいろと御指導いただければというふうに思います。  今、新型コロナウイルス感染症の拡大と、少子化といいますか、妊娠届が減っておるではないか、社会保障全般を考えるとどうなんだというような御質問だったというふうに存じますが、そもそも、出生率が下がり傾向になってきておる昨今でございまして、社会保障制度、もう御承知のとおり、逆ピラミッド形の人口構成になりつつある中において、どうやってふえ行く高齢者の皆様方の医療、介護、年金等々の財政を若い方々に担っていただくんだというところで、国民の皆様方に大変な御心配もいただいているわけであります。  そういう意味からいたしますと、今、高齢者の皆様方にも、まだ頑張っていただける方々、意欲のある方々には頑張っていただくような社会づくりということで、雇用の場も含めていろいろとお力をおかしをいただくような社会をつくりつつあるという部分が一つ。  特に、高齢者の皆様方は、直接介護の現場でもお力をおかしいただく。これは私の地元の三重県ではそういうモデルをつくっておりまして、それをやると介護の離職者も減ってきているというような、そういう調査結果もあるようであります。  そういう意味で、それこそ、人生百年の中でそれぞれが社会の中で役割を担っていただく、そういうような社会の実現というのも一つ大きな課題であろうと思っています。  あわせて、では少子化の方はそうはいったってどうするんだという話があるわけでありまして、これに関しては、このコロナによって減っているという直接的な因果関係はまだわかりませんが、ただ、大きな出来事としては、それはやはり新型コロナウイルス感染症の拡大というものがあったわけで、それが急激にそれこそ届出が減っている一つの要因であろうと推測できます。  不安をどうなくしていくかということをしっかりと我々も進めていかなきゃなりませんし、これが一時的な話で、コロナがおさまれば、また、それでも減っている傾向なんですけれども、一定の傾向のもとへ戻ってくるのかということも含めて我々は注視していかなきゃならぬと思いますが、社会保障を支えるためには、子育てに対するいろいろな支援策、子供を産み育てたいなと思っておられる男女の方々がしっかりと子供を産み育てられるような環境、これをつくるべく頑張りながら社会保障制度自体を支えてまいりたいというふうに思っております。
 

橋本委員

やはり安心をしていただける環境をどうつくるかはすごく大事なことなんだと思っていますし、だからこそ、やはり今回のコロナが急拡大という状況も早くおさめるべきだろうと思うわけであります。  では、どうやったらおさめられるかというときに、もちろん、検査ということをおっしゃる方もいて、別にそれは、感染した人を早く見つけて対応するというのは大事なことですから悪いことだと思いませんが、新規感染者を減らすということは、とにかく手を洗う、手指衛生をしてもらう、それから三密を気をつけてもらう、五つの場面というのが発表されていますが、そういうのを注意してもらう、あと、ガイドラインみたいなものを守ってもらう、それをいかに徹底するかということに尽きるんだと思うんです。  例えば手指衛生について言うと、この分館にもアルコールが入り口のところに置いてあります。厚生労働省も車寄せのところに置いてあったと思います。議員会館にもあります。皆さん、手指衛生しましたか、きょう。本当。偉い。川内先生、偉いです。ちゃんと、うなずいて、手指衛生されたということです。私もしました。浅沼審議官も一緒に入ってきたときにしていましたけれども。やはりそういうことを一人一人の人が徹底してもらうということ、煎じ詰めるとそれしかないんだと思うんです。  やはり、そのことを大臣始め政府の方には、とにかく皆さん、手指衛生してください、手を洗ってくださいということを、あるいはガイドラインを守ってくださいということをしつこく繰り返して言ってほしいと思っているんです。もちろん、いろいろな対策、いろいろなことをやっていますと言うのは大事です。でも、お願いしないといけないことは、とにかく手を洗ってください、三密を回避してくださいだと思っていますので、その点について繰り返しの御発信をぜひ政府としてしていただきたいと思っているんですが、ひとつ答弁をお願いします。
 

田村国務大臣

もうおっしゃられるとおりでありまして、今、アドバイザリーボードの方から、新型ウイルス感染症の今についての十の知識等々、いろいろな情報発信をさせていただいております。それから、危険な五つの場面みたいな形で、これも有識者の方々に出していただいております。  もちろん、三密を回避していただく、手を洗う、それから換気をしっかりやっていただく、種々いろいろな、アルコール消毒もそうでありますけれども、こういうものも伝えると同時に、クラスターが起こりやすいような場面、こういうものを御理解をいただく。  例えば、言うなれば、飲食を伴ういろいろな宴会、こういうところでやはりうつりやすい。それから、長時間の飲食も、例えば一次会、二次会、三次会、こういうこともリスクでありますし、あと、マスクを外しての会話でありますとか、あと、生活していて、たばこを吸いに行ったりだとか、こういう仕事から移動する場所、こういうところでも結構、職場ではマスクをしているんだけれどもそういうところでは外しちゃうみたいな、こういうこともあるので、そういう危険な場面もお知らせをさせていただきながら、そういう意味で、きのう私若干申し上げたんですけれども、飲食、特に会合なんかでどうしてもお酒が入ってよくしゃべるようなところでは、マスクを外しながら食べてしゃべってということが多いので、マスクをしながらというわけにはいかないですけれども、マスクをとって、食べたらまたしていただく。それが面倒くさければ、最近、飲食店なんかで、外食チェーン店なんかで飲食用のマスクというのがあるんですよね。ああいうような飲食用のマスク。  ただ、これもどこまで効果があるかというのをちょっと検証してくださいということで内閣官房の方にもお願いをいたしましたけれども、そういうものを検証しながら、フェースシールドもあります、かぱっとあけて御飯を食べたらすぐに下げる。こういうものも御利用いただきながら、日常生活の中でしっかりと予防していただくということは大変重要でございます。  厚生労働省はホームページやSNSでいろいろな情報発信をしておりますけれども、更に国民の皆様方にしっかり伝わるように、特に、今の若い方々はなかなかテレビや新聞を見られない方々もおられます。ネットのいろいろな情報を得られる方々もおられますので、そういうところに関しましてもしっかりと情報が伝わるように努力してまいりたいというふうに考えております。
 

橋本委員

もちろんホームページ等々は大事ですが、大臣以下、いろいろな政府の方々は人前でお話をされる機会というのは多いと思います。ぜひ毎回、聞かれなくても、皆さん手を洗ってくださいねということは言ってください。それがニュースになるぐらい本当に言っていただかないと、徹底というのは難しい。同じことを言い続けることはすごく大事ですから、ぜひそれはお願いをしたいと思います。  さて、予防接種法の改正案について少し議論をしたいと思いますが、今回は新型コロナウイルスのワクチンの接種について法改正をして規定をされるということであります。  菅総理も、あるいは田村大臣も、本会議で、ワクチンの確保については、来年前半までに全ての国民に提供できるような数量の確保を図る、こういうふうにおっしゃっています。もちろんこれは、開発がうまくいけばとか、いろいろな条件がついた上でですから、そうなるといいなという話ではありますが、一応政府としてはそういうめどを持っておられる。  そうすると、接種が始まるのは、仮に来年前半から接種が始まったとする。だけれども、希望する国民全員に接種を終わるというのは、当然ながら場合によっては、最大一億二千万人とかの接種をしなきゃいけないというのは大作業なのでありまして、実際にそれには一定の期間がかかるんじゃないかと思っています。  だから、国民の皆様からすると、ワクチンを打ち始めた、わあい、これでもう安心なんだと言えるかというと、少なくとも接種が終わらないと、それなりの割合に達しないと、やはり社会的な免疫というものの効果というのはそこから始まるわけで、なので、どのぐらい時間がかかるのということについてどう見通しを立てておられるのか、また、そのこともいろいろなこととあわせて国民の皆さんへ周知をしていただく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
 

正林政府参考人

お答えします。  新型コロナワクチンについては、これまでの取組により、開発に成功した場合、製薬企業三社から合計二億九千万回分のワクチンの供給を受けることについて合意に至っておりますが、いずれのワクチンもまだ治験中であり、薬事承認申請がなされていない段階であります。安全性、有効性の確認が最優先となることから、承認申請がなされていない段階での接種の開始時期や、供給、接種に要する期間等は確定的ではありませんが、供給や接種には一定の時間がかかることを前提として、関係省庁、特に内閣官房と連携して、接種の優先順位についての検討も行っているところであります。  こうしたことも含めて、国民への周知、広報にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 

橋本委員

一定の期間がかかるんだろうということで、それは見えたらまたそのことを具体的にお伝えをいただければと思います。  そして、じゃ、一定期間かかりますというと、やはりこれまでの質疑でも副反応についての心配が、たくさん質疑がありました。一定期間やっているということは、接種をしている最中にもしかするとそういう反応が出てくるかもしれないということは十分に考え得ることであって、期間があるのであれば、きちんとリアルタイムにそういうことをモニターというかアセスメントというかをして、サーベイランスをして迅速に対応する。だから、本当にひどい副反応が起こってしまったというんだったら、例えば中止をするなり、そういうことを迅速にする体制というのが、長期間かかるんであれば要るんだと思うんです。  その副反応の疑い例をどう把握をするのかということについて、西岡議員が本会議で質問されていましたけれども、やはりそれを速やかに把握をして対応すること。かつ、それができるだけ透明性を持っていること。例えば、実際に起こったことは、ちゃんと起こったことと、早く伝えるということが、実は国民の皆様に、初めて打っていただくワクチンがどうなのかという不安を持っていらっしゃる方に対して、きちんと、いや、そういうふうにやるんだということをおっしゃっていただくことはすごく大事だと思いますが、いかがでしょうか。
 

正林政府参考人

お答えします。  今回のワクチンについて、承認後短期間で多くの方に接種する可能性があることから、接種開始後にも情報収集を行い、必要な安全対策をとるとともに、健康被害救済制度を周知、運用することが重要であると考えております。  現状、副反応と疑われる症状については、予防接種法に基づき、PMDA、独立行政法人医薬品医療機器総合機構でありますが、そこが医師や製造販売業者等から報告された情報を取りまとめ、厚生労働省の審議会で評価し、必要な安全対策や情報提供を実施しております。  今般のワクチンの接種に当たっては、この枠組みを活用しつつ、更にPMDAの体制強化や評価の迅速化などを検討しております。  国として、接種開始後に副反応に関する情報を迅速に収集、評価し、必要な安全対策を講じるとともに、わかりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。  また、健康被害救済制度について広く国民の皆様に周知できるよう、国としてもわかりやすい情報発信を行うとともに、救済の申請があった場合には適切に審査してまいりたいと考えております。
 

橋本委員

わかりやすい情報発信が大事です。ただ、要するに、それが透明だと思ってもらえるということがすごく大事なので、その信頼のために、ぜひそうしたことも気をつけて注意をしていただければと思います。  次、検疫法の改正案についてお尋ねします。  答弁は手短にいただければと思いますが、三十四条で指定なので隔離とか停留ができるようになっているということでありますが、実際、この執行はどのぐらいされたのかという実績についてお尋ねします。それから、隔離というのは入院なわけですけれども、公費ですよねということについて確認をさせてください。
 

浅沼政府参考人

お答えいたします。  まず、隔離についての御質問がございました。  新型コロナウイルス感染症を令和二年二月十四日に検疫法第三十四条の感染症として政令で指定して以降ですが、十月末までの実績といたしまして、検疫において発見した千百七十九名の陽性者のうち、二百九十名を医療機関に検疫法に基づく隔離措置をいたしましたところでございます。  こちらにかかる費用でございますが、隔離にかかる費用につきましては、検疫法に基づく国の措置行為として行っているものであるため、基本的に国費で負担をしているところでございます。  ただし、検疫の対象としている感染症以外の疾病の治療、例えば糖尿病、高血圧などがございましたらば、それにかかった費用につきましては自己負担とさせていただいているところでございます。
 

橋本委員

今、要するに、別の病気のところについては自己負担という話がありました。今、これは、感染症法について、結局、外国の方で公的保険に入っていない人の自己負担をどうするんだ問題みたいな話があるので、その点はあわせて検疫法についても議論が要るのかなということを今ちょっと思ったところですので、またそれは改めて議論させていただきたいと思います。  さて、法改正については以上ということですが、少し時間がありますので。  資料をおつけしております。日本小児科医会が要望を出しておられまして、それを資料につけさせていただきました。インフルエンザ流行期に備えた外来診療・検査体制確保事業というものについて見直しをぜひしてほしい、こういう要望でありまして、大臣のところに私も同行して要望に行ったし、一昨日、三原副大臣のところにも成育の議連で行かれたというふうに承知をしております。  手短に、時間が余りないので行きますが、まず、この事業は直近で何件申込みがこれまであった、実績があったのかということ、それと、これも資料につけていますが、結局、これをどう拡大するというか、もっと使いやすくしてほしいと私は思っているんです。  あわせて、地域の医療体制の確保みたいなことについて、九月に財務大臣と厚生労働大臣で合意をしたということになっております。検討するということになっているんですが、もう十一月でありまして、私が在職している間に、十一月二十日ぐらいまでには見えていないと冬のボーナスが払えないんだという話を聞いています。迫井さん、聞いたよね。もう十一月も十三日なんです。あと一週間です。どうこれに答えを出していくのか、いつまで。幾ら大臣が合意したって、現場は一文の得にもならないんです。  ぜひ、そのことについてしっかりと御対応いただきたいと思っておりますが、御答弁をお願いします。
 

正林政府参考人

まず、インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業、これについては、十月九日に開始して、四千七百九十四の医療機関から申込みをいただいております。
 

迫井政府参考人

御答弁申し上げます。  橋本委員御指摘のとおり、医療機関全体の状況については、例えば診療報酬の点数で見ますと、八月、前年同月比で三・七%減、一番減少していた五月につきましても一二・九%減と、回復傾向ではございますけれども戻り切っておりませんし、とりわけ、例えば小児科は八月でも二二・四%減、厳しい状況にある、御指摘のとおりでございます。  地域の医療提供体制を維持、確保するためには、新型コロナの受入れをしている、していないにかかわらず支えていく必要がございまして、補正予算、予備費を合わせまして三兆円の措置を行ってきたところでございまして、まずはこれを速やかに現場の皆様にお届けすることが重要であるというふうに考えております。  それから、御指摘の大臣合意につきまして、これに基づく地域の医療提供体制、それから維持、確保、取組支援につきまして、今後の感染の状況でございますとか地域医療の実態等を踏まえまして、類型ごとの医療機関の経営状況も踏まえながら、そのあり方について政府内でしっかりと検討させていただきたいと考えております。
 

橋本委員

今の、感染体制の今後と言われたって、もう今来ているんですよ、こんなに。それはちょっと寝ぼけた答弁と言わざるを得ません。  また、診療・検査医療機関というのは、二万五千軒ぐらいですね、先日発表がありました、そのうちの五分の一以下しかとっていないということです。これはやはり見直しが要るんだろうと思いますので、ぜひ改善をお願いします。  終わります。