第204回国会 衆議院 予算委員会 第4号 (令和3年2月4日)

橋本委員

自由民主党・無所属の会の橋本岳でございます。  三十分お時間をいただきまして、質疑をさせていただきます。  さて、今日、二月四日でございますけれども、ダイヤモンド・プリンセス号の横浜入港から一年がたった、二月三日に入港ですから、そういうタイミングでございます。  ちょうど一年前の今晩に、検疫で最初のPCR検査の結果が出て、三十一名中十名だったということで、夜中に、当時の菅官房長官、あるいは加藤厚生労働大臣、それから赤羽国交大臣もおられたと思いますが、ミーティングをし、そこで船内で検疫をするということを決めました。その場の末席に私もおりまして、副大臣としておりまして、その後、乗船をして対応に当たるということにもなったわけであります。  このオペレーションは、新種のウイルスを国内に無秩序に流入をすることを防ぐという目的で行われたものでございますが、ただ、やはり残念なことに、出発国に戻られて亡くなられた方も含めて十四名の方がお亡くなりになっておられますし、また、多くの方々が感染をして入院をされる、また、そうでなくても不自由な生活を強いるということになりまして、誠に厳しい現場でございました。  改めて、お亡くなりになりました方に御冥福をお祈り申し上げますとともに、御関係の方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。  その上で、この対応につきましていろいろな御評価をいただいております。政府において改めて検証されるというふうになっておりますし、私自身もその検証をまつ身だと思っております。  ただ、現時点でも言えることを一つ申し上げるとすると、その三千七百人が乗るクルーズ船が稼働して、今止まっていますけれども、いたわけです。それを、感染症が拡大をするかもしれない、その場合、検疫をきちんとしなければいけないという状況というのは考え得たとは思うんですが、それに対しての準備というものができていなかったということは今でも言えるんだろうと思っています。それは、人員体制であったり施設だったり、いろいろあるかもしれません。  ここは一つ総理にお尋ねをしたいんですが、やはりこのダイヤモンド・プリンセス号の検証ということは既に政府から御答弁はありますが、検証した結果をきちんと次に備えて準備をする、二度同じことをしないで済むようにするということがすごく大事だと思うんですが、是非そのことについてひとつお考えをお伺いしたいと思います。
 

菅内閣総理大臣

まさに手探りの状況で、深夜、急遽参集してこの対応策が始まったことを今振り返っているところであります。  この事案については、私は当時官房長官であり対処したわけですけれども、乗員乗客合わせて三千七百名を超えている、そして、検疫事案として過去に例のない大規模なものであると同時に、重症化リスクの高い七十歳以上の高齢者が千二百名以上と、医療面でも厳しい対応が迫られたものでありました。  また、クルーズ船内という閉じられた空間で、かつ、乗客同士の接触も多く、感染が広がりやすい環境であったなど、初めてこのウイルスと戦う中で大きな困難を伴うものであったというふうに思います。  こうした中に、感染リスクが高い乗員乗客を安易に国内に入国をさせるわけにもいかず、一方で、これだけの人数を停留させる施設の確保も困難な中で、船内で検疫を行うという極めて異例の対応をさせていただきました。  こうした多くの困難を伴うものでありましたが、関係者の皆さんの必死の努力によって何とか検疫を成し遂げ、かつ、国内への感染拡大を防ぐことができたと考えています。  特に、議員におかれましては、船内に入り、感染リスクにさらされながら、まさに最前線でこの陣頭指揮に当たってこられましたこと、改めて御労苦に感謝申し上げます。  御指摘のように、こうした対応についてしっかり検証して次につなげていく、このことについては極めて大事なことであるというふうに考えています。政府として、現在、緊急事態宣言を発出をし、新型コロナの収束に向けて全力で取り組んでいるところでありますが、今後、次の新たな感染症に備える意味でも、しっかりした検証を行って、その結果を踏まえ、必要な対策を講じることが大事だというふうに思っています。そういう思いの中でしっかり検証していきたいと思います。
 

橋本委員

しっかり検証し、必要な対策を取ることは重要ということでございます。是非、これはみんなで協力をして、しなければいけないことだと思います。  この対応におきましては、DMATだとか日本医師会のJMATでありますとか、あるいは政府内でありますが自衛隊さんですとか、いろいろな方々の御支援があって成し遂げることができました。御協力いただいた皆様に深く感謝を申し上げたいと思います。  また同時に、ダイヤモンド・プリンセス号の乗員、クルーの方々、この方々が、自分たちも感染リスクを持ち、その不安を持ちながら、しかしながら、責任感とホスピタリティーを持ってしっかりと業務を果たし続けていただいた、このことによって私たちの検疫が何とかやることができたと思っております。このことにつきましても、心から感謝を申し上げますとともに、是非広く国民の皆様方にお伝えをしたいと思っております。  ただ、政府として対応する身からすると、そうしたクルーの責任感に頼ってやらなきゃいけなかったということは、当時ほかに手段がなかったからやむを得なかったとは思いますが、やはり二度同じことをすべきではないと思います。もう絶対やりたくありません、あんなこと。そういう意味でいうと、やはり、どんな準備をするのかという、次に備えるということが大事だと思いますので、改めて繰り返させていただきたい。  そして、実は、大事なことは、今国内でも似たような状況というのが起こっているんだろうと思っています。例えば、私の地元倉敷市でも幾つかの高齢者施設でクラスターが発生してしまいました。本来であれば入院をさせなければいけませんが、入院が逼迫をしているということで、施設で受けなきゃいけないという状況というのが起こっていますが、例えば介護施設の従業員の方々、本来であれば感染症の患者の人を施設に置いておくということは想定されていない。にもかかわらず、でも、やはりそこに利用者さんがいるんだから自分たちがきちんとケアをしなきゃいけないということで頑張っていただいているんだろうというふうに思っていますし、私たちはそのことを常に忘れてはいけないんだろうと思っております。  そういう意味で、ここは厚生労働大臣にお尋ねをしたいんですが、そうしたエッセンシャルワーカーと呼ばれている現場に立っておられる方々に対して、処遇の話もあるんですけれども、それだけではなくて、しっかりと例えば専門家がいて知識を学ぶことができる、あるいはPPEのような個人を防護する手段を持たせる、そうしたことはすごく、適切に対応していくことは大事だと思うんですが、そのことについて是非お考えをお伺いしたいと思います。
 

田村国務大臣

ダイヤモンド・プリンセス号、大変だったと思います。そもそも動線を、レッドゾーン、グリーンゾーンというような、そういうことを分けることを前提に造られていない、場合によっては非常に狭い通路もある中で、感染管理、制御をしていただかなきゃならない。大変な御苦労の中、本当にたくさんの皆様方が対応いただいてあのようなオペレーションを実現をいただいたということで、改めて関係者には心から御礼を申し上げたいというふうに思います。  介護施設も、今言われたとおり、本来は入院をしていただくということが前提、それは、高齢者ですから重度化する可能性がありますので。しかし、今現状、病床が逼迫する中で、重症者は入院するにいたしましても、そうでない方々は介護施設等々に残られるという場合があります。  その場合に、これは同じ理屈、理屈といいますか、同じことなんですけれども、やはりしっかりと感染管理をしていかなきゃならない。そのためには、感染管理の専門家を派遣をして、しっかりその部分、対応していただかなきゃならない。同時に、診療といいますか、診断、また健康管理しなきゃいけない方々もおられると思いますので、医師や看護師、医療関係者の確保もしなきゃなりません。  あわせて、中で働いている方々も感染という形になると、働いている方々が足らなくなりますから、それの確保もしなきゃいけない。PPEのような物資もしっかり確保しなきゃならない。こういうことを、もし施設内で感染が生まれた場合にはしっかり対応するということが大事であります。  あわせて、ふだんからいろんな対応が必要でありまして、そういう意味では、例えば、そういう感染防止のためのマニュアル、それから、どちらかというと動画なんかの方が見やすいので、そういうものの作成をしながら、実際問題、そういうものをしっかりと中で学んでいただく。そして、シミュレーションしていただいて、それに対してのいろいろな対応もいただく。さらには、専門家を派遣をしながら、平時でありますけれども、そこでいろんな研修をしていただいて知識を持っていていただく。  こういうことをやるということが大事でありまして、基本的対処方針の中でも、高齢者施設の感染防止、これを徹底するということが書かれております。  これからもしっかりと厚生労働省、対応してまいりたいというふうに考えております。
 

橋本委員

今、現に起こっていることですし、これは、例えば慢性期とか精神科の医療機関とかでも同様のことがあろうと思います。是非しっかりと、引き続きお願いをします。  続きまして、ちょっと次のテーマということで、PCR検査の精度管理という点についてお伺いをしたいと思います。  PCR検査というのは、ここ一年で本当に、全ての国民の方が、それまで聞いたことがなくても聞いたことがあるようなキーワードになりました。感染の有無の確認だけではなくて、陽性になったということになれば、そこから入院なり自宅療養なりをしなきゃいけないということで、生活に大変大きな影響があるという中で、当然ながら、その結果が正確である、要するに、精度を高くしていくということがとても大事だということは論をまたないと思うんです。  その精度管理にも、自分たち、施設ごとに行う内部の精度管理、その上に、それを客観的に外部からの評価を受ける外部精度管理という方法がありまして、一般の方々からすると、外部精度管理、外部の目が入った、ちゃんと施設で検査をしっかりやっていますという方が安心できるということは言えるんだろうと思います。  今、厚労省に聞いたところによりますと、新型コロナウイルス感染症に関してPCR検査を行っている機関が、医療機関だとか地衛研だとかいろいろ、二千施設ほどあるというふうに伺っておりますが、ここは政府参考人にお尋ねをしますが、では、その二千か所のうち、外部精度管理を受けている機関、施設、何施設ありますか。
 

正林政府参考人

お答えします。  厚生労働省が把握している限りでは、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査を行う検査機関としては、民間検査機関や医療機関、地方衛生研究所など、合わせて千九百三十五施設であると承知しています。  このうち五百六十三の施設が当省の事業である新型コロナウイルス感染症のPCR検査等の外部精度管理調査事業に参加していることから、これらの施設においては外部精度管理が実施されていると承知しています。  また、当該事業に参加していない施設においては、実施されているかどうかは承知しておりません。
 

橋本委員

ですから、五百六十三は厚労省の事業でやっていますが、それ以外はよく分かっていないというのが現状なわけであります。  それは、去年、私が副大臣でおった時代から、おったときにはその事業をやっていなかったので、いやいや、それは問題であろうという指摘をしておりましたところ、厚生労働省で今御紹介のあった新型コロナウイルス感染症のPCR検査等の外部精度管理調査事業というのをやっていただきました。  その結果として、五百六十三施設に調査に御協力をいただいたわけでありまして、昨日、エグゼクティブサマリーという報告書のサマリーをいただきましたけれども。例えば、その結果によりますと、様々な装置、試薬、手技の組合せがあって、大きな検出感度の違いが施設によってあるということであるとか、導入時に精度だとか検出限界、検出感度についての測定性能評価の実施率が低いというふうに書いてあるとか。あるいは、外部精度管理の、この事業でやっているわけですけれども、結果として正答率が九六・四%から九九・八%だった、これは報告としては総じて良好だったという評価になっております。ただ、九九・八%って高いんですけれども、千人に二人は間違えるということでもありまして、そういうものなのだと考えなきゃいけないということだったりする。そのほか、再現性不良が一・三%から五・三%あったなどなど、様々結果が出ているわけでありまして。これは、この結果は結果ですから、これを今後に生かして、きちんと精度を高めていく取組をしていくということが大事なんだろうと思っているわけであります。  これは単年度の予算事業なんですが、この結果について、今後、どのように展開をしていくのか。五百六十三の施設が参加ですから、残り千四百幾つだかの施設は参加していない、そこにちゃんと展開をしていく必要があると思いますし、また、事業としての外部精度管理を、厚労省としてやはり引き続きもっと多くの施設に参加していただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 

正林政府参考人

お答えします。  新型コロナウイルス感染症のPCR検査等の外部精度管理調査事業については、昨年十月三日から本年一月十三日にかけて、医療機関、行政機関、衛生検査所、大学等五百六十三施設を対象に調査を行い、調査結果や検査を行う際の留意点の概要等を含む精度管理事業の報告書の概要版を昨日公表したところです。今委員から御説明いただいたとおりです。  今後、調査結果等を踏まえて策定する精度管理マニュアル、これが取りまとまり次第、速やかに公表したいと考えています。  また、まだまだ参加していない検査機関に対しても、できるだけ参加するよう、声をかけていきたいと思っています。  本事業に関しては、先般成立した第三次補正予算で〇・八億円を計上しており、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 

橋本委員

淡々と質問はしておりますけれども、実は、PCR検査の精度の管理に国が、この事業はやっていますけれども、それまでちゃんとコミットしていなかったということというのは、一般の国民の方からするとかなり驚きなのではないかなというふうにも思うわけであります。だって、PCR検査が陽性か陰性かというのは物すごい人生にも影響がかかるような話だったりするものが、もちろん個々の施設でそれを高める努力はしているとは思いますけれども、余り、実は二年ぐらい前までは法律上の根拠もなかったみたいな状況だったりするので、やはり今後高めていくことが必要なんだろうと思っています。  また、さらに、やはり今後のことを考えれば、もちろん国民の安全、安心ということもあるし、あるいは国際的に、今、水際の交流というのはなくなっていますけれども、感染が収まってそういうことができるようになった、そのときに、陰性証明を出すみたいなときに、我が国の出す陰性証明というのはどのぐらいちゃんと精度管理しているのかということは、国際的にも大変大事なことだと思っています。  そういう意味で、例えば、国だとか公的機関みたいなものが、そうしたものをちゃんと受けているという機関に対してマークを出すみたいな、そうした認証をするといった、そんなことも展開としては考えられるし必要なんじゃないかと考えますが、厚生労働大臣のお考えをお尋ねします。
 

田村国務大臣

衛生検査所のPCR検査等々、行政機関でもやっておりますけれども、そういう意味では、外部精度管理というものをやっていただいているところは多々あるんだと思うんですが、PCRの外部精度管理をやっていたかどうかというのは我々もしっかりと把握していなかったということで、多分、そういう意識を副大臣当時、橋本委員がお持ちになられて、これは何とかしなきゃいけないということで号令をかけていただいて、今回のこの外部精度管理の調査に至ったんだというふうにお聞きをいたしております。  実際問題、PCR検査自体、今言われたとおり、装置も違えば試薬も違うし、手技、手法も違うということで、いろんなやり方があるわけでありまして、その中で一定の精度、品質を確保していかなきゃならないということでありますので、内部精度管理も必要でありますけれども、外部精度管理というものをしっかりやらなきゃいけない。  今回の調査というのは、そういう意味では、一つ大きな意味合いがあったと思いますし、これからもこれを続けていきながら対応していきたいと思いますが、ただ一方で、他の外部精度管理をやっておられるところもあります。そういうところとどういう整合性を取るかということも考えなきゃなりませんので、やはり、しっかり外部精度管理するための一つの指針みたいなものを作った上で、外部精度管理しているところがちゃんとそれにのっとっているかということがまず分からないと、そもそもそこが駄目だったら精度管理の意味合いがなくなってくるわけでありますから、なかなかちょっと複雑なところはございますが、言われておられる意図というもの、そのお考えは、もう我々も十分に分かっておりますので、何らかの対応をしながら、日本のPCR検査の精度、これをしっかりと高めていけるように頑張ってまいりたいというふうに考えております。
 

橋本委員

PCR検査、今はPCRじゃなくてほかの検査も出ていますけれども、本当に、量は大丈夫なのかということがすごく議論されました。今でもあります。やはり質も大事なので、是非この点につきましても引き続きお取組をいただきたいと思います。  さて、ちょっと質問順を変えさせてください。ここで、医師の働き方改革の話を続けてしたいと思います。  やはり、何で病床が逼迫しているのかという議論というのはあります。いろんな理由があると思いますが、一つは、平時から、元々、特に病院勤務医の方の労働時間が長くて、だから働き方改革というのをやらなきゃいけなかったわけですけれども、その余裕が少なかったということも一つ言えるのではないかとも思っておりますし、そういう意味で、やはり医師の働き方改革をできれば平時から、あるいはタスクシフティングなんかも含めて進めていくというのは大事なんだろうと思っておりますし、先日、その関連で医療法等の改正案が閣議決定をされたというタイミングでもございます。  ただ、この医師の働き方改革の議論というのは、地域の医療を実際担っておられる方々からはすごく懸念の声がありまして、上限時間の規制をすることによって、地域の医療機関で医師の派遣だとか副業、兼業によって成り立っている病院、医療機関があるので、そうしたところに医師の引揚げが起こってしまって成り立たなくなるのではないか、こうした懸念の声をたくさんいただいておるわけであります。  実際に、ある同僚議員が要望して、文部科学省さんに、医師の派遣を主に行っているのはやはり大学病院が主ですから、大学病院に対してアンケートを行いまして、上限時間の特例を今度設けるということになりますが、その特例の申請予定を尋ねていただきました。昨日、その結果をやはり文部科学省さんからいただいたんですが、八十一大学病院を調査対象として、医師の派遣元の医療機関を想定した連携B水準というものの申請の予定は、実は三十六病院しかなかった、半分以下だったということが昨日判明をしたわけであります。  このままでいくと、地域の方々の懸念というのは全く払拭されない、大学病院が連携B水準を取ってくれないともう派遣できなくなるんじゃないか、みんなどきどき心配をしているわけであります。そういう意味で、この文部科学省さんのアンケートの結果について、厚生労働省さんとしての受け止めを大臣にお尋ねします。
 

田村国務大臣

おっしゃられた連携B水準、要するに医師の労働時間の特例という形で、本来、時間外勤務、超過勤務は九百六十時間でなければならないところを千八百六十時間というようなところまで、これは地域の医療を守るということで、そもそも大学病院なら大学病院では九百六十時間以内なんですけれども、その方々が他の医療機関、地域の医療機関に、それこそ、言うなれば派遣のような形で働くというような形で地域の医療が何とかもっているという現状がある中で、全体で千八百六十で収まる、もちろん一医療機関は九百六十以内でありますけれども、そういうようなものでありまして、これは大変重要であります。  大学病院で今言われたような状況であるというのは我々もショックでございまして、まだ十分に意図が伝わっていない。そもそも、一医療機関で例えばこの連携B水準しか取れないというわけではなくて、本来の九百六十時間の働き方もできるわけでありまして、そこは複数の時間勤務というものは取れるわけでございますので、そういうこともしっかりと我々周知をさせていただいて、早くやらないと、期限が来ますと、それこそ労働基準法違反という話になってまいりますので、そうならないように再度周知をさせていただきながら、早くこの特例の水準、これを手を挙げていただけるように、我々としても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 

橋本委員

意図が伝わっていないのでしっかり伝えていきたい、それはもうそうなんだろうと思いますので、是非お願いしたいんですが。  ただ、そもそも医師の働き方改革というのは、ルールを作って守らせるというのが目的なわけではなくて、当然ながら、長時間労働だった勤務医の方々に対して、仕事と家庭だとか健康だとかの両立ができるようにするということが本来の目的なわけでありまして、その実現のためには、単に意図を普及させていくだけではなくて、支援というのはやはり要るんじゃないかと思っております。  特に、女性の医師も増えてきております。そうしますと、単に処遇をしかるべくするというだけではなくて、院内保育あるいは病児保育みたいなことを大学病院の中とかでできるようにする、そうした環境を整えることも大事であります。  これは、医師だけではなくてほかの医療職の方々あるいは事務の人もですけれども、そういう勤める方々にも助かる話ですし、また、病院の臨床の運営というだけではなくて、研究を更に加速をしていくという意味でも意味があるんだと思っておりまして、単に厚生労働省さんの話だけではなくて、大学病院について言えば、文部科学省さんにもやはりそうした気持ちは是非持って御支援をいただきたいと思っております。  そういう意味で、厚生労働省、文部科学省、両省協力をしながら、それぞれがきちんと御支援を様々な形でいただきたいと思っておりますが、厚生労働大臣、文部科学大臣のお考えをお聞かせください。
 

田村国務大臣

やはり仕事と家庭の両立は大変重要でありまして、それができないと質の高い医療も提供できないということであります。  厚生労働省、文科省としっかりと連携しながらその部分を対応してまいりたいというふうに考えておりますが、そういう意味では、診療報酬でありますとか基金でそういうような、例えば救急が多くかかったりするようなそういう医療機関に対してはしっかりと支援をしながら、医療機関側もそういう体制を組めるようにというようなことも、これは検討する中において対応させていただいております。  これからも文科省としっかり連携してまいりたいというふうに考えております。
 

萩生田国務大臣

先生御指摘のとおり、医師の働き方改革は、長時間労働を是正し、医師の健康確保とワーク・ライフ・バランスを図る上で重要であり、大学病院においても取組を推進することが必要です。  文科省では、これまでも、タスクシフトなどの医師の労働時間の短縮に寄与する各大学病院の好事例を収集し、病院長が集まる会議などの場で周知を図るなど、各大学病院の取組を支援してまいりました。  地域医療に支障が生じないように進めることが重要でありまして、文科省においても、地域の医療機関への医師派遣に係る時間外労働時間の特例、今御指摘のあった連携B水準ですね、これについて大学病院への周知を改めて図ると同時に、厚労省ともしっかり連携しながら大学病院の取組を支援してまいりたいと思います。
 

橋本委員

大学病院つながりで、もう一つ萩生田大臣にお尋ねをしたいと思っております。  新型コロナウイルス感染症に関しまして、文部科学省では、国立大学附属病院に新たな施設整備を進める予定というふうに伺っておりますが、是非、大事なことだと思いますので、具体的な取組と大臣の意気込みを伺いたいと思います。  また同時に、私立の大学病院もあります。そちらへの御支援も是非お願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 

萩生田国務大臣

高度な医療を提供することができる大学病院は、重症患者を始め、また今回のコロナに対しても、まさに重要な役割を果たしていると思います。  このため、コロナ禍及び今後の新たな感染症の流行の不測の事態が生じた場合でも、地域医療の最後のとりでである国立大学附属病院がその機能、役割を一層発揮するとともに大学の教育研究機能を引き続き確保できるように、フレキシブルに活用できるスペースを確保するための事業を実施することとし、三次補正でお認めいただきました。  具体的には、感染症の流行時において、院内感染リスクの軽減のため、来院する患者を感染者とそれ以外の患者に振り分けるとともに、平常時には多様な活用ができるフレキシブルな施設を整備するものです。  今回、コロナの対応のために、各大学病院が駐車場などにテントを張ったり、プレハブなどで対応していました。一般の外来者との動線を変えるというのは非常に難しかったので、あらかじめそういう施設を箱として造って、そして万が一の場合に備えていく、こういうものを造らせていただく予定でございます。もちろん陰圧室にしてありますので、こういったことが起きたときには直ちにそちらを空けて感染症対応ができるような形にしていきたいと思います。  総理も、これは早く進めることができないかということを御指示いただいておりまして、補正予算では国立大学で手挙げで対応させていただきますが、私立大学の附属病院も同じ役割を果たしていただいておりますので、今後しっかり検討して必要な支援策を講じていきたい、こう思っております。
 

橋本委員

今、施設についてそうしたサポートをされるということで、私立大学病院も含めて是非お願いしたいと思いますし、先ほど来申し上げていますように、人への投資も是非お願いをしたいと思います。  ちょっと幾つか質問を残しておりますけれども、時間でございます。上川大臣、平井大臣、申し訳ありませんでした。  終わります。