第208回国会 本会議 第12号(令和4年3月17日(木))

橋本委員

ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、新型コロナウイルス感染症による雇用情勢及び雇用保険財政への影響等に対応し、雇用の安定と就業の促進を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、第一に、雇用保険の失業等給付について、雇い止めによる離職者等に係る基本手当の給付日数の特例等を継続するほか、離職後に事業を開始した者に係る基本手当の受給期間の特例を創設するとともに、公共職業安定所長が受講を指示する公共職業訓練等の対象に求職者支援訓練を追加すること、第二に、雇用保険財政について、令和四年度の保険料率を激変緩和のために引き下げるとともに、雇用情勢や雇用保険財政に応じ、失業等給付に係る国庫負担を機動的に行える仕組みを導入することなどの措置を講ずること、第三に、職業安定法について、労働者になろうとする者に関する情報を収集して行う募集情報等提供事業に係る届出制の創設等により事業運営の適正化の推進を図ること、第四に、地域の実情に応じた職業能力の開発及び向上の促進のための取組が適切かつ効果的に実施されるよう、都道府県の区域ごとに関係者による協議会を組織する仕組みの創設等を行うこと等であります。
本案は、去る三月三日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。
本委員会におきましては、翌四日後藤厚生労働大臣から趣旨の説明を聴取し、九日から質疑に入り、十一日に立憲民主党・無所属、国民民主党・無所属クラブ及び有志の会の三会派より、雇用保険について、国庫負担割合を引き下げる改正を行わないこと、政令で定める基準に従い機動的な国庫の負担が確保されるようにすること等を内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。
また、十五日には原案及び修正案について参考人から意見を聴取し、昨日質疑を終局いたしました。質疑終局後、修正案について内閣の意見を聴取した後、原案及び修正案について討論、採決を行った結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)