第213回国会 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 第11号(令和6年4月11日(木))

橋本委員

自由民主党の橋本岳でございます。

今日は、この地・こ・デジの委員会で、去年は委員長をさせていただいておりましたので、質問をするのは初めてということになるのでありますが、しっかりさせていただきたいと思います。

これまでいろいろな方のお話を伺ってまいりまして、大変有意義な議論があって、いいことだなと思いながら、勉強になったと思っておりまして、感謝を申し上げたいと思います。特に支援金についていろいろなお話があるわけでございまして、勉強になるなと思って伺っておりましたが、いろいろ聞いていると思うことがありまして、ちょっと思っていることがだだ漏れなところがあることはお許しをいただきたいと思うんですが、今日はお許しをいただいて申し上げていきたいということであります。

ちょっと、そこに入る前に一点、CDRについてお尋ねをしたいと思っておりますので、まずそちらに行きます。

CDRと申しますのはチャイルド・デス・レビューの略でございまして、私、かねてから、死因究明の体制の充実でありますとか制度の整備とか、そうしたことに取り組んでまいりましたが、やはり特に子供については、何で亡くなったのか、事故だったのか、事件だったのか、あるいはもしかしたら虐待という場合もその中に紛れ込んでいるかもしれない、そうしたことについてちゃんと検証していくというのが大事なんだろうと思っております。

既に、いろいろな法律で、政府においても検討すべしということにはなっておりまして、モデル事業に取り組んでいただいておりますが、例えば、二百件の死亡件数のうち、親に説明できた件数は百二十七件、そのうち同意が得られたのは六十一件。それについて取り組んでいくというような形で、親の同意というのがハードルになっているというのが一つの課題であります。

また、別途、刑事訴訟法がありますので、警察が調べた情報についても、これが出てきにくいという壁もある。もちろん、現場ではいろいろな運用がされているようでありますが、ただ、やはりそこについてはクリアしていかなきゃいけない壁なんだと思っております。

そういう意味で、今後、実効性あるものにしていくためには、新規に立法を行いまして、CDRを法律に基づく事業として行う必要があるのではないか、もうそういうことを考える時期に来ていると思っております。その点につきまして、加藤大臣にお尋ねいたします。
 

加藤国務大臣

お答え申し上げます。

子供の死亡事例につきまして、医療、警察、行政等の関係者で死因等の検証を行い、効果的な予防策を導き出すCDRは重要な取組です。

その体制整備に向けた検討を進めるため、令和二年度から、複数の都道府県においてモデル事業を実施してきたところでございます。これまでのモデル事業を通じて、御指摘のとおり、CDRを実施する際に必要となる情報の取得方法について、個人情報保護法や刑事訴訟法との関係などが課題として挙げられています。

今後、これらの課題等を検証し、関係省庁とも連携しながら、立法の必要性の有無も含め、CDRの体制整備に向けて、丁寧に、かつ着実に検討を進めてまいります。
 

橋本委員

立法の必要性の有無というところに触れていただいたことに感謝を申し上げたいと思いますが、あえて一点もうちょっとお尋ねすると、実は前にあった答弁とそう変わっていないんですね、今の答弁というのは。もう一歩前に進めていきたいというお気持ちがあるのかどうかということについて、ちょっとお尋ねさせていただいていいですか。
 

加藤国務大臣

立法の必要性につきましては、これまでのモデル事業等を通じて把握された課題等を検証し、現行の法体系等について精査を行い、CDRに携わる様々な関係者と丁寧な議論を重ねて理解を得ながら、その有無を判断する必要があると考えておりますが、着実に進めて、検討をしっかりと進めてまいります。
 

橋本委員

検討をしっかり進めてまいりますということでございますので、是非。

これは、間違えてはいけないのは、遺族のためにやる制度ではないんですね。亡くなったお子さんと、その後に生まれてくる、育つお子さんたちが同じ目に遭わないためにはどうすればいいのかということのためにやる、こども基本法における子供の最善の利益を優先して考慮するということが当てはまるものだと思っていますから、是非そういう観点に立って、立法を含めというか、僕は立法は要ると思うけれども、御検討いただきたいと思います。大臣のリーダーシップを期待しております。

ということで、支援金について、ちょっといろいろと議論してまいりたいと思います。

資料を用意しておりましたので、お手元で眺めていただきながら聞いていただければと思います。資料、二枚を一枚にしていますので、右下のページ番号でこれから言っていきますが、御覧いただければと思います。

まず最初、今回の法案につきまして、野党各会派の皆様方からもそれぞれ一定の御評価をいただいていることは率直にありがたいことでありまして、感謝を申し上げたいと思っております。本会議で各派を代表されている方々の御発言をちょっと資料でまとめておりますが、評価しますとか、私たちが求めてきたことでありますとかおっしゃっていただいている、大変ありがたいことだと思っております。

ただ、支援金制度についてはいろいろなお話がありますねということでございますが、やはり、年寄りの繰り言みたいで嫌だなと思いながら、でも、いろいろな経緯があってここに至っておりますので、ちょっとそれを整理しようと思って年表を作り始めたら三枚になってしまいましたという話でございます。

一九九〇年、一・五七ショックとか、一九九四年、エンゼルプランとか、そういうものはありましたねということがありますが、私、実は初当選、二〇〇五年の郵政解散でございました。その頃の空気というのは、はっきり言って、まだ高齢者の話ばかりしていました、ぶっちゃけ。二〇〇四年に年金制度の改正、改革があった。それから、その翌年、二〇〇六年に高齢者医療保険制度の法案ができた。だから、私が初当選してきまして、自民党の厚労部会とかに座りますと、高齢者医療の議論ばかりして、入った途端とかは全くちんぷんかんぷんで、何の議論をしているんだと思ったのはよく覚えておりますが、何かいつの間にか厚生労働の専門家みたいになっちゃって、どうしちゃったんだろうと思っているんですけれども、それはおいておいて。

そんな空気で、当時から少子化対策大臣というのはおられたんですが、保育の拡充だとか、基金をつくるとか、そんなことはしておられましたけれども、この頃、やはり主な議論というのは本当に高齢者の話ばかりしていたよなと思います。

ちょっと眺めていた面白いものがありまして、一枚めくっていただいて、スライドの五番、五ページ。

少子化社会対策基本法という、これは平成十五年ですから二〇〇三年に成立した法律の前文で、もうこのときに、少子化は、有史以来の未曽有の事態に直面している、こう書いてあるんですね。ところが、我らはともすれば高齢社会に対する対応にのみ目を奪われと書いてあって、ああ、本当にそうだなと思って。これが二〇〇三年に作られているんですが、なお二〇〇五年とか、当時でもそうだったなと思っておりまして、ちょっと、そういう時代だったなと思い出しておりました。

消費税の増税、二〇一九年に一〇%になったわけですが、そのそもそものきっかけというのも実はその二〇〇四年の年金制度改革で、マクロ経済スライドの導入とかと並んで、基礎年金の国庫負担割合の引上げというのがありまして、これで二兆五千億円ほどの財源が要る、どうしようという話になったんですが、当時の小泉政権はそこに目鼻をつけないで終わっちゃいまして。

どうしようどうしようと言っているうちに何年かたってしまいまして、ようやく、二〇〇九年三月のところに所得税法一部改正案成立というのが年表に出ていますが、ここで消費増税などの抜本改革について、ようやくこの頃、やりましょうみたいなのが決まった。このときに少子化対策ということも書いてあるので、ようやく少子化に対する財源の話がここで出てきたなということかと思っております。これは麻生内閣のときですが。

ようやくそこまでたどり着いたところで、政権交代の選挙ということになります。これは、子供政策史上、エポックメイキングな選挙だったと思っています。といいますのは、さっき言ったような、高齢者の話が一生懸命という、その頃、年金記録問題とかもあったしみたいなことの中で、当時の民主党さんは子ども手当ということを強く訴えて、それを有権者の皆様方が、がっちりハートをつかんで後押しをつくって、選挙の結果が出た。私は落選したんですけれども。

とはいえ、客観的に言えば、子供政策というものがきちんと選挙にも影響して政策を動かしていく力になるんだというところを示した最初の選挙だったと思っていて、これは、僕はすごく、民主党さんの功績だとたたえておきたいというのは是非申し上げておきたいと思います。本当にそうだなと思っています。

だから、自民党的に言うと、本当に高齢者のことを一生懸命考えていたんだけれども、これからは子供のことも考えないと選挙に負けるという体験をしちゃったわけですね。だから、シルバー民主主義という話はあるんですが、実は、この選挙の前と後で大分空気が変わったという感じはします。

そうはいいましても、やはりまだいろいろなことは引きずっていたというのもあるし、一方で、民主党さんは政権を取って、落選していたからよく分かりませんが、御苦労もあったのかなと思います。

そうした中で、先ほどの所得税法の条文もあったこともあり、野田内閣のときに三党合意ということになります。これで消費税率を引き上げるということと、これを財源にして子供、子育て分野に〇・七兆円充てましょう、これだって、本当は保育の充実、量の、質の充実に一兆円要ると言われていたのを、三千億円足りないという話だったりするので、今回それがようやく解決をするのでよかったなと思っておりますが、そういうのを引きずっていますが、一応そういうことになりました。これはよかったなという話です。

二〇一二年に再び自民党政権ということになります。これも、本会議のときに、これは一谷先生が、岸田政権以前はかけ声ばかりで何もしていなかったみたいなことをおっしゃっておられたんですが、一応、例えば、地方創生というのは人口減少というのを真正面から捉えていこうとしたところがあって、出産、育児をちゃんと支援していこうというのは入っているし、当時の、例の山尾志桜里先生が保育園落ちたというのを取り上げて、あれも話題になって、じゃ、それに応じて保育を拡充していこうということになったりとか。あと、二〇一七年の選挙のときに、消費税の使い道を変えて教育無償化をやります、あれは突然言われたので、中にいる我々もびっくりしたんですけれども、そういうことが起こって、そういうところにお金を出そうとかいうようなことはあったので、取り組んでいたとは思います。ただ、やはりまだアドホック感はあるなと。その時々にテーマになったのを手当てしていくみたいな感じはあったなという気はします。

その辺の風向きが変わってきたのが、三ページ目というか四ページ目に入ったところの辺りですね。

まず一つは、二〇一九年、成育基本法というのが議員立法で成立をしていまして、これは、妊娠から出産、子供、子育て、思春期、大人になる前までの諸施策を一体として取り組むべきだという話で、よくこんな法律通ったなと今では思うんですけれども、でも、やはりそれは多くの方の理解を得たんだと思います。

そして、二〇二一年に自民党の中でチルドレンファーストの子供政策のという勉強会ができまして、それを受けて自民党に本部が設置をされ、それで提言を出して政府も受け止めていただいて、こども家庭庁をつくろうとか、こども基本法を作ろうとかいうことができて、そうこうしておりますと、岸田総理が昨年一月に異次元の少子化対策をやるんだと言って、こども未来戦略ができて、それに基づいて法律が出て、今ここ、こういう一連の経過がありまして。振り返ってみますと、やはりここ三年ぐらいの勢いというのは大変に速いし、二〇〇五年とかの当時の自民党の空気を知っている人からすると、めちゃくちゃ異次元なんです。もちろん、もっと次元の高い方からすると、ようやくここぐらいかと言われるというお叱りはあるんだと思いますが、済みません、低次元の者からすると超異次元なんですよ、これ、という話でございます。

あと、消費税、財源について話をしますと、消費税、さっき申しましたように、二〇〇四年の年金制度改革がスタートなので、実際に一〇%になったのは二〇一九年ですから、十五年かかっているんですね、五%上げるのに。だから、もちろん、これはいろいろな識者の方、この間の参考人の方とか予算委員会の公聴人の方とかで、消費税とか、そのほかの税のベストミックスみたいな話があったし、アカデミズム的にはそうなんだと思うんですが、消費税を上げるのはめちゃくそ大変だったというのをどうするのかということはクリアしないといけない課題だということは押さえておきたいと思います。

ということで、こういうような経緯で、今日のような話というか、今回の法案の質疑を聞いていて、僕はすごいうれしいんですよ。ようやく子供支援の財源はできるし、それに対して真面目にいろいろな方々が議論していただいている。とてもありがたいことだなとまず思っていまして、そのことは感謝を申し上げたいと思いますし、喜びとしております。

ただ、見解の相違というのはありまして、いろいろ思うところはありますので、ちょっとここから各論に行きたいなということであります。

そうだ、触れ忘れました。足立先生、今日いないんですよね。

資料の六ページ目に、三党合意の結果できた社会保障制度改革推進法というものの基本的な考え方のところが出ています。

四項のところで、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすることということが書いてありますので、ここを御覧になると、何で今回消費税じゃないのだという議論はなし得るんだろうとは思っています。

ただ、実は二項というところがありまして、社会保障の機能充実と給付の重点化、制度の運営の効率化を同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現することということもありますので、今回は、先ほどの本会議でも加藤大臣が御説明をされましたが、社会保障制度の改革をして歳出削減をして、それを充てるんだという話になっていますから、この二項の趣旨には沿うんだろうと思っています。

だから、これはもう考え方ですが、消費税の話に入る前に、まず制度改革、社会保障制度の改革に踏み出す、そこから財源を取るのだということそのものは三党合意には反しないと思っておりますので、ちょっとそれは触れておきたいと思います。

さて、じゃ、費用負担についてという話でございまして、スライドでいうと七ページ目ということになろうかと思います。

もちろん、逆進性があるとか、先ほどの宮本先生のお話のように、国保の中でも市町村ごとによっていろいろな差があるよねとか、それはもう御指摘は当たると思っております。

ただ、ある意味で、今回の支援金制度をよく言えば、いろいろな方々に広く薄く負担をお願いをする、できるだけ社会みんなで子育てを支えていこうという、その考え方に沿ったものだという言い方もできるんだろうと思っていますし、むしろ、逆進性が言われるぐらい、取りにくい方からもお願いをすることになるので、もちろんそのことをきちんと政府は説明をしないといけないというのはそのとおりだと思いますが、その上で、取りやすいから、お金を徴収しやすいから取るというお叱りをいただいたんですけれども、いや、そうじゃないと思うんですということは申し上げさせていただきたいなと思います。

一方で、これも岡本先生、本会議のときに、総合課税、所得税と金融所得課税の総合化とか累進強化という話をされたり、法人税率の引上げという話をされました。実は、それは、高額所得者の方により負担をしていただこうとか、黒字の法人にもっと負担をしていただこうということになるから、僕、どんな税収でも、取ってきて、それで給付が増えればいいと思っているので、否定はしません、否定はしませんが、考え方として、より今の政府の提案の方がいろいろな人に幅広くお願いをしているという面があるということは申し上げておきたいと思います。

また、広くいろいろな人に負担という意味では、消費税は本当にそうなりますが、これはやや自民党の内部的話になるかもしれません、消費税を上げようという話をすると、絶対に、財政再建が必要だといって財務省に持っていくんです。

だから、今回のような保険料に乗せるという格好を取っているからこそ、全額が給付に入るということがきれいになっているということが、もちろん、うちの政権は消費税を上げてそれを全部給付に充てますという政党があれば、頑張ってという話ですけれども、多分、今の財務省さんはそんなに優しくないので、こういう話になるんだろうなというのは現実問題として念頭に置かないといけないんだろうと思っております。(発言する者あり)頑張ります。

それから、最高裁の大法廷の判決につきまして、これは正直言って苦しいなと自分でも思っていますが。そもそも、この判決そのものは、国民健康保険料が、全員強制加入だし、税も入っているし、ほとんど税金じゃないのということが問われて、いやいや、憲法八十四条の規定が直接に適用されるものではない、こういう判断だというふうに理解をしています。その理由は、税金が入っているからといって給付に対する反対給付との牽連性は断ち切られないということと、強制加入、強制徴収は国保の目的及び性質に由来するものだからということだというふうに理解をしております。

なので、今回の子ども・子育て支援金が創設をされたというときに、でも、給付のための反対給付という牽連性、一対一の対応ではないし、いろいろなお金の流れというのはいろいろなところに出ている、それはそうです、そうですけれども、牽連性が切られるものではないということは言えるんだろうと思っているし、社会連帯だとか、あるいは子供、少子化対策というものが社会保障制度全体に対して持続可能性を高めるという、これは政府の御説明だし、私もそう思いますけれども、そういうつながりがあるんだから、関係がないとは言えないんじゃないのと。

あと、支え合いという意味では、当時も、出産育児一時金とか保険給付ではない保健事業とかがあったよねということがあるので、それは最高裁は分かっていただろうという話であります。だから、そういう意味では、そもそも、要するに、税ではないという言い方は適用し得るんだろうというふうには思っています。

ただ、更に言うと、介護納付金とか、被用者保険の前期調整額、後期負担分とか、要するに、ほかのところにお金をどんどん拠出しているという構造は、その後はどんどん広がっていっていて……(発言する者あり)はい。だから、今、岡本先生がお話しになったりとか、西沢参考人がよくおっしゃる、要するに、保険としての給付と負担とのまさにつながりというのがどんどん薄くなっていっているよねと言われれば、それはもうそうですよねという、そこは別に否定するつもりはありません。

次のページ、九ページに、これは医療保険の中ですけれども、やはりこれだけやりくりしているよねという、それは現実問題としてそうなので、その御指摘はそうだなと思っていますが。だから、西沢さんのおっしゃるのは、要するにこういう、制度の自治ということを考えれば一円でも外に出すのはおかしいという、それは全くそうなんです、言い詰めれば。だから、すごい原理原則的にはそうなんですけれども、済みません、現実既にもうこうなっちゃっているんですという話を、まあ問題視されれば問題なんですけれども、それはちょっと支援金の話じゃなくなっちゃうという話なので、というようなことなんだと思います。

介護保険についても、介護保険は当然だけれども、子育てはおかしいと。いや、介護保険も別に医療と一緒じゃないよねという話は、要するに、訪問介護というのは掃除とか買物支援とかもあって、全然医療とは言えない部分はあるよねと。もちろん、最近、医療と介護が連携して一緒にやろうねというのをもっとやらなきゃという話が出ているというのは理解しますが、それは、でもそうだよねという話です。

十二ページ目に行っていただいて。高久公述人の発言はちょっと飛ばしますが。

個人的には、税か保険料かという話が出る一つの理由は、給付の方が保険っぽくないということになっているからかなというふうにも思うんですね。だから、これは今後、将来の話として、今回まず第一発目としてやらなきゃいかぬことをやらなきゃいけない、それに対しての財源も手当てしないといけないから、こんな形という御提案をすることになるわけですが。

今後について言えば、それこそ、岡本先生が子育てケアマネジャーというお話をされました。例えば、こういうものをちゃんと生かしていって、保険者みたいなのをちゃんとつくって、保険給付みたいな形をつくることは、恐らく発展させていけばできるんだろうと思っていますし、もちろんそのときにはより一層の、財源をどうするんだということも含めて議論していかないといけませんが、ある意味で、そのためのスタート点に立つというのが今回の法案の意味なんだろうというふうに思っております。

そこで、ちょっと加藤大臣にお尋ねをしたいと思っているんですが、要は、このプランができたらという仮定の下ですが、やはり今申し上げたような、子供真ん中保険とか僕は勝手に言ったりしていますけれども、そういうものとかに発展をさせていくような議論というのは続けていくべきだと思っておりますが、ここの点、加藤大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 

加藤国務大臣

お答えを申し上げます。

昨年末に閣議決定したこども未来戦略では、子供、子育て政策の充実は決して加速化プランで終わるものではないとしてございます。また、今後三年間の集中取組期間における加速化プランの実施状況や各種施策の効果等を検証しつつ、子供、子育て政策の適切な見直しを行い、PDCAを推進していくこととしております。

その際、給付と負担の関係を含めて、全体像が国民にとって分かりやすい制度となるように取り組んでいくことも重要であると考えております。
 

橋本委員

ということで、まずはもちろんこの法案の成立のために御努力をいただくべきではあると思いますが、その後につきましてもひとつ、これは我々もですけれども、議論していこうということは申し上げていきたいと思います。

続きまして、実質的に負担増になることはないという御説明が今日もございましたし、ずっとされております。あっ、残り時間五分になっちゃいました。これにつきまして、十三ページに、これは井坂先生が作られた資料です。縦書きのものを横書きにしたんですけれども、よく分かりやすい資料、すごい分かりやすい資料。

もうちょっと分かりやすく加筆をしたのが十四ページ目でございまして。要は、多分、保険料を出す財布を持っている人からすると、比較Aのような感じの比較をされる。要は、支援金がないときは保険料を払っていました、でも支援金ができましたといったら、保険料の上に支援金が乗るという格好にはなるので、それは増えるよねと、そういうふうに受け止めをされるというのは当然だと思うし、そういうふうに受け止めがされ得るということは政府も理解をされた上で、今後の御説明等当たっていただきたいとは思っています。

一方で、政府が言う実質的に負担増になることはないというのは、比較Bのような、要は、支援金というのはある中で、一旦歳出削減をして、その分を支援金とかに充てるんだということにしているので、それ以上にはなりませんという説明をしている。それはそれで、支援金というのはどんどん大きくなっていくんじゃなくて、ちゃんと歳出削減の範囲でしかなりませんということを言っているという意味はあるんだろうとは思うし、逆に言うと、要するに、子供、子育ての給付をちゃんと続けようと思ったら歳出削減頑張れという話だったりはするということなので、むしろそっちの方に意味があるんだろうというふうに思っているところでございます。

歳出削減、具体的にはよく分からないというのは、ちょっと後で行きます、はい。そういう説明。だから、それはそれぞれ、要するに、どういう比較をしているのかというのを明らかにしてお話しいただいた方が、それぞれにです、分かりやすいのではないかという話です。

事業主負担についてです。

事業主負担をなくすについていろいろな議論があるんですけれども、では、事業主負担がなくなったらどうなるかというと、それは被用者の方にその分がかかってくるので、可処分所得、減ると思います。一方で、事業主は、事業主負担がなくなるということは自由に使えるお金が増えるから、賃金は増えるかもしれないけれども、それ以外にも使われるかもしれない。そこは事業主の自由度が増えるという話なのであって。

逆に言うと、公的保険において事業主の負担というのは、本来被用者が払わないといけないものを、半分事業者に払ってもらっている話だと思うんですよね。(発言する者あり)だと私は思いますという話です。だから、被用者にとっては、私は、メリットなんじゃないかなと思っているんです。そこは、では、ううんと言われているから議論があるかもしれませんが。

それと、支援金制度、子育て世帯に負担があるんじゃないか。当然ながら、負担は一定あるのは、それは間違いないです、保険料に乗せるんだから。

ただし、被用者保険の場合は、特に、給料が高い人が多くなるので、四十代、五十代が実は給料が高いという、現状でいうとそっちの方が重たいということになるのと、あと、さっき言った歳出改革、中身がどうかという話はちょっともう時間がないので割愛しますけれども、実態として今の、要するに社会保障の歳出改革というのは、結局、すごく煎じ詰めると、本人負担が増えるか、サービスが減るか、どっちかなんです。

今、それを使っている人の多くの割合が、高齢者の人がやはり医療費についても使われているわけで、では、それを今のようなことをすると、高齢者の方に負担が増えるか、高齢者の人のサービスが減るか、どっちかということになることが多いです、ざっくり言ってしまえばです、マクロで。具体的に何をするかによって、そこは変わってきますけれども。

だから、そういう意味でいうと、高齢者の方にも御負担をいただいて、それを子供の給付に回しているんだということは、そういう構造、政府はそこをつなげて言わないので、そういうふうにならないんですけれども、でも、実態、予算としてはつながっているので、そうなるはずでありますから。

そういう意味でも、やはり今回の制度で、歳出改革をしたその果実というのは、子供、子育て世帯に渡るべきだという御主張があって、いや、今回の制度はまさにそうなんですよという話に結果的にはなるんだと思っています。(発言する者あり)なので、私がしているんです、済みません。

あと最後に、ちょっともう公述人のスライドは外しますけれども、これは西沢公述人が衆議院予算委員会でおっしゃっていた話で、多分、ここの参考人でも同じようなことをおっしゃっていたと思うんですが、結局、与野党でちゃんと歳入についても議論して、いい結論を出して、それこそ、三党合意というのは僕はよかったんだと思っています。ああいう形のことができるだけ早く実現をして、みんなお互いに必要な負担をお願いしなきゃいけないのはお願いしなきゃいけないので、ちゃんとそういうことは議論ができていくといいなと思っておりますし、残念ながら、そういう環境にない中で今回の提案をしているから、私は、急いでまず今回の法律を是非通していただいて、その上で、みんなで胸を開いて議論しませんかというふうに思っていることでありますので、是非、そういう中で、引き続き御審議をいただいて、速やかに賛成していただければありがたいんですが。

そういうことをお願いをいたしまして、済みません、私の質疑とさせていただきます。どうもありがとうございました。