第201回国会 衆議院 経済産業委員会 第8号 (令和2年4月17日(金))

田嶋委員

立国社の田嶋要でございます。  まず、私からも冒頭、新型コロナで亡くなられた方々に心からの御冥福をお祈り申し上げるとともに、今治療中の方々、一日も早く御回復なされますようにお祈り申し上げ、お見舞いを申し上げます。  と同時に、そうした患者の方々に対して尽くされている医療従事者の方々の御尽力、心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。感謝申し上げます。  こういうところで私たち、仕事をしていると、想像力の欠如という問題はやはり常にあるというふうに思っております。そういうことに、時々頭をがんと殴られるような感じがするのは、地元の有権者からのお声でございますが、大変私はありがたいことだと思います。そうした悲痛な声が、日ごろのおつき合いもある中で、届くことで、私たちは本来の大事な情報というのが現場にあるんだということを改めて思い知らされるわけでございます。  きょうは、そうした意味で、前半、コロナの話をさせていただきますが、大変お忙しいところ、厚労省副大臣、橋本先生もお越しいただきまして、感謝を申し上げたいというふうに思います。  やはりそうしたギャップということを意識しながら、きょう、まず、ぜひ副大臣にお話を伺いたいのは、見えていないということだと思います。  こういう声がございました。現場の方に、コロナ用のベッドを百何十床用意してくれ、そういう話がいきなり来たと。そういう要請だけは来たけれども、道具を見渡しても何もないということで、非常な恐怖心を覚える、不安感を覚えるということがやはり声として上がっておるわけでございますので、これはいろいろな方からも御指摘が出ておるかと思いますが、私は、見える化ということがやはり大事になってくるというふうに思います。  資料をおつけしました。一、厚労省の資料からこうした基本スキームというようなものが示されておるわけでございますが、これはいわゆるサージカルマスクも含めての話かと思いますが、きょうはN95そしてKN95に特化して、お尋ねをさせていただきたいと思います。  橋本副大臣、そうした見える化ということで、今まだでき上がっていないようでございますが、これは本当に大事だと思います。私たちが一々、厚労省のいろいろな人に聞いたり、そうしたことが全国から来れば、結果的に御負担がふえてしまうわけですし、医療関係者の安心をやはり広げるということ、そしてデマを防止するということ、いろいろなメリットがあると思いますが、こうしたダッシュボードというんですかね、そうしたものを今つくる御予定があるのかどうか、まず、その点を確認させていただきたいと思います。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  今御指摘をいただきましたように、N95のマスク始め、さまざまな医療資材が今、医療の現場において大変求められている、そして不足をしているというお声があるということは、私どもも承知をしております。  また、その中で、そうしたものに対して、国の取組などをきちんと見えるようにすべきだという御指摘は、そうだろうというふうにも思うわけであります。  今、私どもの取組といたしまして、まず、現場にどんなニーズがあるのかということを酌み取るということがまず大事であろうと思っておりまして、厚生労働省では、内閣官房IT総合戦略室と連携をして、各医療機関等の協力を得て、各医療機関の状況に関する情報をウエブ上で入力をしていただけるシステムを開発しました。開設して、今、稼働して、各医療機関の皆さんに入力をお願いをしているところでございます。  この入力をいただく項目の中で、そのN95マスクを始めとするさまざまな医療に関する、PPEといいますが、備品ですね、いろいろな物品、マスクだとか防護具だとかフェースシールドだとか、そうしたものがあとどのぐらい残っているかということを目分量でいいので教えてくださいというような項目もある。それから病床のぐあいなどなどをお尋ねをして、それを入力をしていただいておりまして、私どもの方できちんとそれを集計して、どこでどのぐらい足りているのか、足りていないのかということを見るシステムというのを今稼働させ、その入力のお願いをしているところということでございます。  こうしたことによって、まずは、どこでどう足りていないのか、足りているのか、把握を私どもとしてしっかりしたい。そして、それを、国の、今後、調達をして都道府県を通じて配付をする、そのメカニズムの中でも生かしていけるといいな、このように思っているところでございます。  また、分配の点について、これも、国から都道府県、買い上げたものについては都道府県を通じて各医療機関に分配をしていただくということになりますが、これは都道府県とも、意見を求める必要があろうと思いますけれども、国から都道府県に対してどのように分配を行っているのか、そこのところも見えるような方向で、公表するような方向で調整をしたいというふうには思っております。  ダッシュボードという形で、見ばえよく、わかりやすく見ていただけるか、プレスリリースのような形になるか、ちょっとそこはまだあれしておりませんけれども、できるだけわかりやすい形で見えるようになるといいなと。  また、その先、都道府県から先をどうするのかということもあろうと思います。ちょっとここも都道府県との御相談ということになると思いますが、委員の今の御指摘を踏まえながら、やはり現場のまず医療機関の皆様に安心していただけるということが大事だと思いますので、そのように取り組んでまいりたいと考えております。
 

田嶋委員

今、冒頭、ニーズとおっしゃいましたけれども、あ、副大臣、お疲れかもしれませんが、少し大きい声でお願いしますね。  ニーズとおっしゃいましたけれども、ニーズは、これから患者がふえてくる中で、不安にするなということですよ。それしかないですよ。だから、道具がそろっていないのにやれというのは無理だという声が出ているわけでありますから、もうニーズは明らかであります。  そして、前半で、現場から情報を吸い上げる仕組みはできているというお話がございましたが、それは非常に自分中心の発想であって、俺のところに情報をよこせという話なんだけれども、彼ら中心で考えれば、どういうふうに状況がなっているかということを知りたいわけでありますから、今つくろうと検討中というのはちょっと遅いと思いますね。彼らにとっては、今どこにどれだけの備蓄があって、例えば千葉県にはどれだけ来ていて、千葉市にはどれだけ来ていて、うちの病院にはどうなんだ、隣の病院にはどうなんだ、そういうことも、基本は、情報を出せば出すほど私はデマの防止、そしてパニックの防止につながると思います。  私たちが、三・一一のときも、情報開示というのはスピードと正確性がある意味反する部分があるので大変悩ましい問題だというのはよくわかりますけれども、結果的に、役所が、これを余り早く出しちゃうと間違っていたときに後で怒られるとか、いろいろな役所的な発想で守りに入ると、必ず失敗すると思います。  例えば、自分の病院には減っているけれども隣の病院にはN95が結構あるぞ、そういうことがわかるだけでも、それは非常に私はプラスになると思いますので、ちょっとおくれていると思いますので、副大臣、ぜひそこはスピードアップしていただきたいというふうに思います。立派なものじゃなくていいんです。立派なものじゃなくていいから、今の時点で千葉県にどれだけ残っているか、国はどれだけ倉庫にあるか、そういうことを現場の医療従事者がわかるようにしてほしいんです。  そこでお尋ねしますが、今までのこととして、何回に分けて、いつ、幾つのN95、あるいは、中国製かもしれませんがKN95、まあ合格できる水準でですね、どういった調達が行われたかという、これまでの実績を教えてください。
 

橋本副大臣

お答えをいたします。  まず、これまでの国の取組として、国内メーカーに対して増産や輸入拡大の要請を行った、あるいは都道府県に対して、備蓄を医療機関に対して放出するようにお願いをしてまいりました。また、都道府県の備蓄が少ない場合には、都道府県からの申請によって、そのニーズを踏まえて、国で設定した優先順位に基づいて、メーカーから医療機関に直接供給をしていただくといったことも行っておりました。  その上で、今委員からは、政府が何回、いつ調達をしたのかというお尋ねでございましたが、そういったことに加えて、国で調達をしたN95マスクということについて申し上げれば、三月分でいうと二社から調達をしておりまして、一社は四回に分けて、ほかの一社は一回で納品をされております。三月末までに合計約四十三万枚の納品をいただいております。  また、あわせて、これは四月九日になりますが、中国大使館から、N95マスク十万枚、あと、ゴーグル、ガウン、フェースシールド、サージカルマスク、防護服などなど、これもちょっと数は割愛をいたしますが、そういう寄附もいただいておりますので、こうしたものにつきましても、先ほど申しましたように、都道府県等のニーズを踏まえて配付をする、こういう予定にしております。
 

田嶋委員

あわせて見通しもお願いします。来週、今度の木、金ぐらいにどっと来るんですか、何かそんな話もきのう聞きましたけれども。  副大臣、どうぞ。
 

橋本副大臣

今後の見通しでございます。  こちらの方は、今鋭意調達を行っておりまして、変動があり得るものとして申し上げますけれども、今見えている範囲では、来週末に百五十万枚のN95マスクの入荷を見込んでおりまして、更にその上乗せを図るべく交渉しているところでございます。  また、製造業を始めとする産業界の協力を得るため、十五日の午後に、総理と医療防護具等の増産貢献企業との懇談というのを行っておりまして、そこにおいても企業から御提案をいただいておりまして、N95マスクと同機能を有するDS2マスクについて、経団連を挙げて提供を求め、十万枚超を集めたということ、また、国内のN95マスクのメーカーが、昨年は月七十万枚だった生産規模を、三交代にして約百四十万枚まで倍増していること、一日当たり約三万枚を国内の医療機関向けに供給していること、また更に、夏に向けて設備投資を行い、増産を計画していること等が表明をされております。  引き続きまして、関係省庁と連携し供給量を確保していく。それとあわせて、N95マスクの再利用についてということを私どもはお示しをしております。そういう面で、需給面、両方あわせて、しっかりと満たせるように努力してまいります。
 

田嶋委員

再利用は、その通知も読ませていただきました。二回までは再利用できるとか、一週間で五つまでだよとか、いろいろ書いていましたけれども、それはそれで窮余の策のような、やはり印象がありますね。だから、再利用は大事かもしれませんが、やはり安心感をふやしていただきたいというふうに思います。  総じて、副大臣にお願いでありますが、これからいつ、どこからどのぐらいの量の調達が可能なのか、そして、それがどこに備蓄されるのか、どういうふうに全国に流通して、千葉県にはどれだけ、そして北海道にはどれだけ、そうした供給サイドから現場の方に届くN95、KN95の情報開示を、どんなに原始的なやり方でも結構ですから、この一週間ぐらいの間に、ゴールデンウイーク前にはつくっていただくということでお約束いただけませんか。
 

橋本副大臣

まず、調達については日々努力をしております。ただ、これも、話があって聞いてみて、でもやはりちょっとだめだったとか、そういうことも結構ありますので、どこまでお見せできるかというのは恐らく考えなければならないとは思います。  ただ、今答弁をしたような形で見えているものというのもございますので、そうしたことも含めて、きちんとできるだけお示しをできるようにということで考えてまいりたいと思います。
 

田嶋委員

内閣官房のテックチームってありますけれども、そんなテックは要らないんですよ、ローテックで結構ですから。メールで、全国に一斉メールを毎日一回ずつ出してください、今。  千葉県にはこれだけあります、もうすぐこのぐらいとれるかもしれないけれども、調達、ひょっとしたらまだリスクもあります、そういうことを正直に伝えることが安心感につながります。  私も、供給者と話もできました。一日に十万、KN95を生産できる中国の供給者と、代理店を通じて話もできました。そして、厚生労働省にもおとといお届けしていますね。だから、そういうことも含めてお役に立つことがあればやりますけれども、ぜひ、情報共有こそが非常に大事だということです、現場の安心感のために。  最後に、この点に関しては同じことが、フェースシールド、それから撥水性のガウン、こうしたことも声が上がっておりますので、同じことですから、やることは。ぜひやっていただきたいと思います。  それから、KNはNとちょっと違って心配だという声も上がっているから、当然、何でもいいから買えばいいという話にはなりませんね。そこのテストの部分もしっかりと発信をしていただきたいんです。  そして、きのうの役所の方は、調達は恐ろしくて、最後までどこかの国にとられるリスクがあると。そのとおりですよ、実際とられたんだから、そういう実績もあるから、日本はね。  だから、いろいろ書かれていますけれども、そういうことも含めて正直に書けばいいんですよ。まだこれは絶対入ってくるかの保証はないけれども、今こういう取組をしていると。そういうこともちゃんと情報開示していただいて、現場の皆さんが暗中模索で怖い仕事をさせられている状況なんかはやめてください。  そのことをぜひ、副大臣、はっきりとお願いしますので、一週間後にちゃんと現場の皆さんに聞きますから、お医者さんに、届いた、届いたと毎日聞くから、これから一週間。  副大臣、よろしくお願いしますよ。もう一回、最後にはいと言ってください。
 

橋本副大臣

私どもといたしましても、鋭意調達の努力をしている、その努力をしている姿というのをきちんとお示しできていないなという反省はしております。鋭意努力をいたします。