第213回国会 本会議 第8号(令和6年3月1日(金))

橋本委員

自由民主党・無所属の会の橋本岳であります。

私は、自由民主党並びに公明党を代表し、ただいま議題となりました予算委員長小野寺五典君解任決議案に対しまして、断固反対の立場からてきぱき討論を行います。(拍手)

まず冒頭、本年元日に発生した令和六年能登半島地震によって亡くなられた全ての方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また、被害に見舞われ、今なお厳しい生活を送っておられる被災者の方々に改めてお見舞いを申し上げます。

さて、我が国経済は、昨年三十年ぶりとなった高水準の賃上げの実現や、企業の意欲的な投資計画の策定など、前向きな動きが見られています。去る二月二十三日には、日経平均株価が三十四年ぶりに最高値を更新しました。こうした中、足下の物価高に対応しつつ、構造的な賃上げや、民需主導の持続的な成長を実現することが重要です。また、少子化対策や安全保障体制の充実など、令和六年度予算案は、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、その成果をつかみ取るために必要不可欠な予算であります。

そして何より、この予算案には、能登半島地震で被災された方々の命を守り、生活、なりわいの再建を始め、被災地の復旧復興に対するための財政措置が講じられております。諸施策が切れ目なく一刻も早く実行できるよう、これを早期に成立させることが被災地から強く求められており、我々国会議員が国民から負託された責務であると考えます。

一方、我々自民党の派閥パーティーに関する政治資金不記載の、いわゆる裏金の問題では、昨年来、国民に対して政治への不信を招いてしまったことは誠に申し訳ないことであり、自民党の一員として、私からも深くおわびを申し上げます。

国民の信頼なくして政治の安定はありません。私の父、橋本龍太郎は、行革担当大臣として公務員人事制度の改革に取り組むに当たり、信賞必罰という言葉を説きました。今後、自民党が国民の信頼回復に取り組むに当たり、改めてこの言葉を自らのこととして臨むべきであると、この場をかりて申し上げます。

さて、このような中、今国会は異例の幕開けとなりました。通例では、政府四演説は国会の召集日に行い、その後各党からの代表質問という流れとなります。しかしながら、今国会は、四演説前に、予算委員会において政治資金問題等をテーマとする集中審議を行いました。国民の期待に応え、この委員会の開会を決められたのは、まさに小野寺委員長であります。

小野寺委員長は、昨年十月の予算委員会で、公正かつ円満な委員会運営を図る旨述べられました。その言葉どおり、令和六年度予算の委員会審査においても、各会派の意見や主張に耳を傾け、まさに公正かつ円満な委員会運営に真摯に御努力されました。野党からの資料要求や集中審議の開催についても、その実現に向けて、誠心誠意、尽力されました。

公聴会の開催日程についても、やはり異例の対応をされました。更に申し上げれば、本案提出者である山井和則野党筆頭理事の御要望と御協力により、理事会において緑茶の御提供があり、その結果、とても和やかな理事会運営が行われたことは感謝を申し上げますが、これを受け入れ、決定したのも小野寺委員長であります。

先ほど審議時間が足りないという御主張がございましたけれども、本日、本来は計七時間の審議を経て、計七十六時間の総質疑時間となり、国会召集前と後の予算委員会集中審議を加えると八十一時間三十分となる予定でありました。

そもそも、昨日の公聴会後、あるいは分科会後、与党は審議の提案をいたしましたが、それを断られたのは、山井筆頭、あなたではありませんか。

野党の審議時間だけを見ても、現時間では五十六時間を積み上げており、解任決議案が出されずに委員会が開催されていれば六十二時間となり、例年と変わらない審議時間となったはずではありませんか。これこそ小野寺委員長がいかに公平に委員会運営に取り組まれていたかの証左ではないか、このように思います。

何よりも、審査中、委員長席を一度も外すことなく、常に議論に耳を傾け、公平に運営に当たられた誠実なその姿を、野党の皆様もずっと御覧になってきたはずではありませんか。その小野寺委員長になぜ解任決議案が出されるのか、私には全く理解ができません。

昨日、残念ながら与野党の協議が調わない中、小野寺委員長は、予算成立に向けて、委員長の職権により委員会の開会を決定されました。これは、自らも十三年前の東日本大震災の被災者としてつらい体験をされたことも踏まえ、能登半島地震の被災者の方々の声を始めとする国民の期待に応じ、我が国喫緊の課題に対応するための予算案を預かる予算委員長として、その職責に忠実であっただけにすぎません。

にもかかわらず、提出された本決議案は、単なる国民不在の日程闘争と理解するほかなく、むしろ、国民に一部野党のだらしなさを印象づけるのみに終わるものであります。我々は、断じてこのような決議案を容認することはできません。

以上、小野寺五典委員長への根拠のない不当な解任決議案には断固反対であることを重ねて表明し、議場の皆様にはこぞって青票を投じていただくようお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)