第196回国会 本会議 第29号(平成30年5月24日(木曜日))

議長(大島理森君)

 討論の通告があります。順次これを許します。橋本岳君。
 
〔橋本岳君登壇〕
 

橋本岳君

 自由民主党の橋本岳でございます。
 私は、自由民主党及び公明党を代表し、ただいま議題となりました厚生労働委員長高鳥修一君解任決議案に断固反対する立場から討論を行います。(拍手)
 この通常国会は働き方改革国会であります。安倍政権は、二年前に一億総活躍プランにおいて働き方改革の実行を力強く宣言をし、労使双方のトップを含めた働き方改革実現会議における議論などを積み重ねてきました。
 この国会では、いよいよその中核となる関連法案を審議し結論を得ることが各界から強く期待をされております。また、そのほかにも国民生活にかかわる多数の法案が提出されており、それらについても速やかに審議を進めることは、国民の負託を受けた我々立法府の重大な使命であります。
 一方、残念ながら、裁量労働制に関する不適切なデータの比較や、そのもととなった調査のずさんなデータ処理、東京労働局長の記者会見における不適切な発言、さらには日本年金機構における不適切な業務委託やそれに起因する正しい額の年金支給の遅延など、厚生労働省に関連することだけでもさまざまな問題が政府において発生し、ないしは発覚をした国会でありました。与党である私たち自由民主党としても、まことに遺憾なことであります。
 さて、厚生労働委員長高鳥修一君は、人格は高潔にして冷静沈着、障害者福祉の向上に情熱を傾け、空手、合気道、居合など武道をたしなみ、日本文化を愛する快男子であります。
 委員長としては、この難しい国会において、就任冒頭の発言のとおり、公正かつ円満な委員会運営に全力を尽くしてこられました。
 諸課題については、野党の要求のとおりに、昨日の総理入り質疑を始め、集中審議や補充質疑、参考人質疑や視察も行いました。資料要求についても、他委員会では類を見ない、長時間に及ぶ理事会や理事懇談会を開いて与野党の協議の機会を設け、政府に提出させるよう求めました。さらに、質疑中に疑義が生じた際、与党理事が質疑続行を求めていても、毎回速記をとめ、理事同士の協議を丁寧に促すなど、むしろ与党側から不満が出かねないほど野党の皆さんにも配慮をし、円満な委員会運営に懸命に努めておられました。
 その上で、なお与野党の合意点を見出すことができない場合や、あるいは、維新の会以外の野党の皆さんがゴールデンウイークを挟んで長期間欠席をされたため合意のしようもない場合に、やむを得ず委員長の判断で委員会の運営を進めたこともありました。しかし、これは厚生労働委員長としての職責を真摯に果たしただけのことなのであります。
 自分たちが欠席をした結果について、その責任を委員長に転嫁するかのごときこの決議案は、決して国民の理解を得られるものではありません。
 この決議案を提出された野党の皆様に申し上げたい。
 今国会において、野党共同の議員立法として、生活保護法等の一部を改正する法律案が提出をされました。去る四月二十日の委員会において、我が党の国光あやの議員がこの法案に対して通告どおりに質疑しようとしたところ、委員会開始時点では答弁席におられた、提出者の一人である立憲民主党のある議員が途中で退席し、質問ができないという事態がありました。
 既に維新の党を除く野党の方々は全員欠席されていた中で、答弁のために一人で出席されたこの議員の勇気と責任感について、私は率直に評価をいたします。しかし、誰かが指示をして、党利党略のために退席させたと受けとめざるを得ません。
 法案を提出し賛同を呼びかけておきながら、提出者が答弁を放棄していなくなるなど、前代未聞であります。断固抗議をし、猛省を促します。
 野党の皆さん、皆さんは、国会の権威を一体どれだけ軽く考えておいでなのでしょうか。皆さんは安倍内閣を厳しく批判されますが、この内閣には委員会の途中に答弁を放棄して……(発言する者あり)
 

議長(大島理森君)

 御静粛に。
 

橋本岳君(続)

 いなくなる閣僚など一人もいません。むしろ、出席どころか答弁まで放棄する今の無責任な野党には、高鳥委員長の解任決議案を提出する資格など全くないと断じざるを得ないのであります。
 どうやら指摘が図星のようで、たくさんやじをいただいておりますが、以上の理由から、的外れで身勝手で不当としか言いようのない、高鳥修一厚生労働委員長の解任決議案には断固反対であると再度申し上げ、心ある議員各位には、こぞって青票を投じていただくよう訴え、私の反対討論といたします。(拍手)