第196回国会 本会議 第43号(平成30年7月18日(水曜日))

議長(大島理森君)

 橋本岳君。
 
〔橋本岳君登壇〕
 

橋本岳君

 自由民主党の橋本岳でございます。(拍手)
 討論に先立ちまして、このたびの西日本の豪雨災害において亡くなられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、全ての被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
 私が住んでおります岡山県倉敷市では、御承知のとおり、真備地区において、小田川等の堤防が決壊し、極めて大きな被害が生じました。しかし、すかさず、愛知県、奈良県、滋賀県、各県からの緊急消防援助隊や自衛隊が駆けつけ、現地の消防、警察とともに人命救助に当たっていただきました。本当に心強かったです。
 さきの三連休には、倫選特の森山浩行野党筆頭理事を含め、全国から多くの方が災害ボランティアとしてお越しになり、被災地の復旧や避難所の支援に当たられました。物資や義援金などの御支援も多くお寄せいただいています。政府も、多くの自治体も全力で御支援いただいています。倉敷市民の一人として、心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 今回の災害では、極めて広範囲にわたる被害が発生しました。また、被災者の生活再建の歩みはまだまだこれからであります。私たち地元の議員が努力するのは当然ですが、議場の皆様におかれましても、今後とも、被災された方々に心をお寄せいただき、お力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
 さて、私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対して、賛成の立場から討論を行います。
 平成二十七年に改正された公職選挙法の附則第七条においては、「平成三十一年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。」との規定が置かれました。これを踏まえ、参議院において熱心に御議論されたものの、各党合意による成案を得るに至らず、自由民主党・こころ、無所属クラブの共同提案により参議院に提出され、審議の上可決され、衆議院に送付されたものが、この法案であります。
 そもそも我が党は、合区の解消を含む憲法改正の発議に向けて努力を行ってきました。しかし、残念ながら、その環境が整わない中、ほぼ一年後に参議院選挙を迎えるタイミングとなりました。周知期間などを考えれば、ただ議論を続ける時間はもう残っていないことをまず指摘しなければなりません。
 また、自民党の党利党略だという御批判もありますが、委員会質疑で指摘されたように、定数増がそのまま自民党の議席増になるわけではありません。どの政党が議席をふやすかは、ひとえに有権者の選択にかかっております。また、特定枠についても、利用するかどうかは政党の選択によります。したがって、この御指摘は全く当たりません。
 定数増に関して、厳しい御意見があるのは事実であります。その上で、附帯決議も含めて参議院としての意思を示されたわけでありますから、参議院においては、定数増によるコストを抑えつつ、これまで以上に審議を充実させ、国民の利益を更に増大させるという決意と覚悟を示されたものと考えられます。我々は、これを重く受けとめなければなりません。
 その上で、この案は、一票の格差の縮減と、人口減少に直面する地域を始めとする多様な民意の国政への反映という、二つの命題を両立させる案として現在考え得る最良の案であると考えます。ただ、あえて申し添えれば、参議院におかれましては、引き続き改革に取り組み続けていただきたいことを付言いたします。
 以上の理由により、責任政党の立場として、本改正案に賛成であると再度申し上げ、議員各位の御賛同を賜りますことを切にお願いし、私の賛成討論といたします。(拍手)